誰しも葬式の事なんて考えたくないです・・・。
ところが、「ある日突然に、お身内のお葬式をしなければならなくなったら?」
お葬式に限らず何をするにしても、その後で「あんな場合は、こうすれば良かったな」と思いがちです。しかし、お葬式は、自分が喪主側となって経験することは自分の一生のうちで数回しかありません。
ここでは、スムースなお葬式の段取りのポイントとお葬式で後悔しないための理想的な流れを説明します。
自分が知りたい情報収集のススメ
お葬式の予備知識も経験値も、ほとんどの人は非常に少ないです。
お葬式を送る側として経験していても、前回の経験から時間がかなり経っている場合も多いので忘れていたりします。また、時代とともに内容も変わっていたりします。
そこで、「自分の知りたい情報をうまく収集する」ことをおススメします。
しかし、誰に尋ねたら良いのやら?尋ねても正解なのか?
いきなり葬儀社に電話をするのは勇気が必要です。また、葬儀社へ相談の電話をするならば、本来は情報や予備知識があるほうが良いに決まっています。
というのは、和菓子屋さんに入って「この辺りで美味しい和菓子を売ってる店、知りませんか?」って尋ねたら、「ウチのは美味しいよ!!」って答えます。
「いや~、ウチよりここから100m先の和菓子屋のほうが美味しいよ」なんて言いませんよね(笑)。
残念ながら、中立な立場での相談先は数が少ないのです・・・。
それでは、どのようにして情報収集するのが良いのでしょうか?
お葬式の情報源
情報源は大きく分けて3か所からとなります。
A・インターネットで検索
B・葬儀社などのプロに教えてもらう
C・知り合いや友人や親戚に教えてもらう
Aは、自分の知りたい情報をいくつものサイトからマイペースで収集できるので最もおススメする情報源です。葬儀社もしくは葬儀関係の会社が作ったサイトばかりですが、情報としては正確です。同じ内容をいくつかのサイトで見ても、ほぼ同じような情報が載っているので安心してください。
Bは、専門家の意見なので信頼性の高い情報です。しかし、葬儀社の場合は自分たちの都合の悪い情報は教えてくれないので、その辺りが要注意なのです。そこで、事前に知りたいことをインターネット検索で調べておくことと複数の葬儀社に相談することをおススメします。
Cは、人に聞いても、専門家以外は不正確な情報が多いので、正直、おススメできません。
AやBで収集した情報をもとにして、判断や選択に迷う場合ならば、信頼できるご親戚や知り合いの意見は参考になります。しかし、情報源としての信頼度はかなり低いです。
賢いお葬式の情報収集:方法&段取りとは?
後悔しない為には「情報収集」。2つのステップと5つの流れ
簡単にまとめると下記の流れになります。
第1ステップ(情報収集)
①インターネット検索
②事前相談
③仮見積もり
第2ステップ(数社に相談して比較)
④数社に事前相談と仮見積もり
⑤比較と検討
この5つの流れで進むのがベストですが、時間のない状況なら①②どちらかのみでも良いと考えます。
「時間がない=急にお亡くなりになられた場合」は、少しでも予備知識を付けられると気持ち的に安心感が出ますので、①でも②どちらかだけでもおススメします。分からないことは、いくつかのサイトを見ればある程度は分かる時代ですのでご活用ください。(詳しくは、下記にまとめた「事前相談できずに亡くなられた場合は?」を参考にしてください)
第1ステップ(情報収集)
①インターネット検索
分からない事柄を、インターネット検索で調べて情報を増やすことは大事です。
葬儀社自体を調べたい場合は、地域で評判の良い葬儀社を親戚や友人に教えて貰えればネット検索の参考になります。
そして、そのホームページの写真やホームページの作り方で、葬儀社の内容までは分かりにくいかもしれませんが、雰囲気は伝わってくると思います。内容が分からなくとも、ホームページの雰囲気が良いと感じた場合は、自分の感覚に合っている傾向が強いので、葬儀を行う際の有力な候補になります。
地元の評判が分からない場合は、インターネットで調べて、ネット上の評判が良かったり、ホームページを見て良さそうと思えた葬儀社へ電話をしてみて応対をチェックしてください。できれば2社以上に電話をしてみると良いです。その後で、対応の良かった葬儀社のうちの2社以上へ相談に行かれると安心です。
②事前相談
実際に葬儀社へ相談に行かれた際には、会場や会社の雰囲気、スタッフの対応や雰囲気をチェックしてください。
会館や会場や会社に対して嫌な感じがしなかったか、スタッフの対応は丁寧で親切か?
葬儀の仕事は「究極のサービス業」と言われます。
金額面も重要ですが、スタッフの対応力も重要です。
親切で気の利くスタッフが担当してくれれば安心で納得のいくお葬式の実現につながり易いです。
「雰囲気の良い会社=スタッフ教育がしっかりしている」場合が多いのです。
事前相談で応対してくれたスタッフが非常に感じが良くても、実際のお葬式でそのスタッフが担当してくれるとは限りませんので、会社全体と他のスタッフの雰囲気もチェックしておいてください。
③金額の説明を聞いて仮見積書を発行してもらう。
事前相談で、話を聞いただけでは忘れてしまいます。
内容と金額の記載された書面(仮見積書)を手元に貰うことは、ほかの会社と比較する時にも重要となります。
<注意点>
・会社によっては、仮見積書を発行してくれない葬儀社もあります。
・資料もほぼ渡してくれない会社もあります。
☞こんな会社は、NGです。
第2ステップ
④数社に事前相談と仮見積もり
2社以上の葬儀社へ訪問し相談。
数社に事前相談する上で、「同じ程度の条件と内容」の「仮見積書」が必要です。比較が出来るようになります。
*同じ程度の条件や内容とは*
想定する参列の数、食事の数や単価や想定人数、返礼品の想定数や単価、
祭壇のデザインやお花の数やボリューム、バスやタクシーの有無、など。
☟葬儀費用の事を詳しくお知りになられたい方は☟
「葬儀費用の内訳とは?」をご覧ください。
⑤比較と検討
相談に行った数社の中から、一番良いと思えた会社を選ぶ。
葬儀は十人十色。それぞれの家によって内容や参列者数が違いますので、金額も違います。
そして、金額重視の方もいれば、全体のバランス重視の方もいらっしゃいます。
どこに重きを置かれるかはそれぞれのご判断なので、どれが良い・どれが間違っているなどは有りません。
どんな内容であれ、どんな金額であれ、「気持ち」を込めて「送る」ことが個人的には大事だと感じます。
「お葬式のことなんて縁起でもないから、生きているうちに考えたくない」。
しかし、そこが予備知識なく比較検討出来にくい業界にしてしまっているんですね・・・。
でも、考えたくないのも理解できます。
考えたくない場合は、それで良いと思います。
そんな場合は次のアドバイスを参考にしてください。
事前相談できずに亡くなられた場合は?
このような場合、インターネット検索して情報を収集している人・していない人がいらっしゃいます。
いずれにしても、葬儀社への事前相談が出来ずに亡くなられた場合は、まず、地元の親戚や友人などに評判の良い葬儀社を聞いてください。
病院に尋ねるのは、あまりおススメしません。
病院提携の葬儀社(病院から安置場所まで運んでくれる搬送業者≒たいていは葬儀社か関連会社)が有る場合が今でもあるからです。(特定の提携先がない場合も多いです。地域の数社の会社を平等に扱われている病院もありますので、「NGではなくご注意ください」ということです)
搬送業者≒葬儀社が病院に来てしまえば相談なんてしにくいし、搬送を依頼してしまえば対応がイマイチだと思っても葬儀の話は断りにくいです。
また、最近は自宅に搬送して自宅で安置するケースも減ってきていて、葬儀社の安置室にて一旦お世話になるケースが増えているので、そうなれば、より断りにくいです。
しかし、「この会社に葬儀を依頼するのは嫌だ」と感じたら、勇気をもって遠慮せずに断ってください。そして、別の葬儀社を探してください。
では、具体的にどうすれば良いのか?
下記の①~④の流れを参考にしてください。
①気が動転していたり、悲しみとお疲れの中ですが、親戚か地元の人に評判の良い葬儀社を聞いて、まずはスマホでネット検索してください。
②気になる葬儀社に、まずは電話をかけて応対力をチェック
→実際に電話をして、「身内が亡くなったのですが、お願いする葬儀社を決めていなくて、どうしたら良いですか?それと、お葬式の費用はいくらほど掛かりますか?」と聞いてみてください。
A・評判の良い葬儀社が1社の場合 ☞そのホームページを見て、雰囲気などをチェック。
同時に、地元のほかの葬儀社のホームページもいくつか有れば簡単に見て、良さそうな葬儀社が有ればチェック。→電話を掛ける。
B・評判の良い葬儀社の名前が数社上がった場合 ☞それぞれのホームページを覗いてみて、良さそうな葬儀社をチェック。→電話を掛ける。
③電話相談して、ある程度の答えを貰えれば「身内と相談して掛け直します」と伝えて電話を切る。このようにして、ホームページチェックで良さそうな葬儀社2~3社に電話をしてみてください。
④回答内容や対応が良かったところに、搬送もしくは葬儀を依頼されれば無難です。
※評判の良い会社が1社で、ホームページチェックでもそこしか良さそうな会社が無ければ、そこに決められると良いと思います。
お葬式の費用や相場は?
前述の、葬儀社に電話をして「お葬式の金額はいくらくらい掛かりますか?」の質問ですが、模範解答はどれでしょうか?
A・全国平均は100万ほどですが当社なら80万円ほどが平均です。
B・一般葬なら100万ほどですが、家族葬なら60万ほどが当社の平均です。
C・ご希望や内容をお聞きしなければお答えできませんので、お聞かせ戴けますか?
私なら、「C」で答えます。
ご希望の内容によって、金額は全く変わってきます。
だから、一概に「だいたい○○万円です」とか「平均は○○万円」なんて答えれません。
一般葬でも家族葬でも、葬儀費用は60万円の方も居れば120万の方もいらっしゃいます。それを、例えば「平均で90万」と答えるのはおかしな話なんです。
参列の想定人数はどの位か?
祭壇のイメージや祭壇と周辺をお飾りする花のイメージは?
ご希望の内容や参列数は各お葬式によって違うので、条件の違う内容から算出した平均値なんて全く参考になりません。
そもそも、「お葬式の金額」は、どこまで入っているのか?
お寺など宗教者の謝礼(いわゆる仏式なら「お布施」)、火葬料金、香典返しの費用、仏壇、墓石、法要費。
これらすべてを、葬儀費用に含めてしまうと、訳が分からなくて、比較できません。上記では、葬儀での費用と葬儀後の費用が混ざっています。お布施・火葬料金は葬儀費用に含まれますが、香典返しと仏壇と墓石と法要費は「葬儀後の費用」です。これらの事はこちらの記事にて詳しく解説しております。
同じような内容でなければ、金額を比較することは出来ません。
もちろん、同じような内容でも、スタッフや会社の雰囲気や接客力・施設の充実度は葬儀社によって違うので、「トータルでの比較」がポイントです。
後悔しないお葬式、最も大切なことは?
ここまでは、お葬式で後悔しないためのポイントやその周辺の事柄の説明をしてきましたが、もっとも大切なポイントを最後にお伝えします。
「心を込めて」「出来る範囲の事をする」ことが出来れば、どんな内容でも、それが「その時の選択肢の中での最善の選択」と私は考えます。そう、これさえ出来ていれば、後悔したとしても「精一杯のことをした」ので、後悔する必要なんてありません。
※「心を込めて」送ること(お葬式を執り行うこと)が最も大切で、後悔しないポイントです。
まとめ
簡単にまとめると、
・インターネットで情報を収集する。
・事前相談を地元の葬儀社にして実際に訪問もする。
→事前相談することで安心できる。
→できれば、2社以上に事前相談してみる。(比較検討が出来るから)
・事前相談した葬儀社を比較検討する。
・事前相談出来ずに、お葬式をしなければならなくなった場合でも、上手に手短に地元の葬儀社数社を比較する。
・「心を込めて」お送りする(お葬式を執り行う)。
→「心を込めて」「出来る範囲の事をする」ことが出来れば、「その時の選択肢の中での最善の選択」なので、後悔する必要はない。
これらを意識することで、スムースなお葬式の段取りができます。そして、後悔しにくいお葬式に繋がるのでおススメいたします。
関連記事もご興味のある方は、ぜひともお読みください。
お葬式や仏事のことが、分かりやすくなります。
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