【お葬式でのお布施】について。意味や金額や相場(仏式)

お葬式と法事

仏式(仏教式)でお葬式を行った場合のご寺院への謝礼は「葬儀のお布施」と呼びます。

そこで、よく聞く質問です。

謝礼はどのくらいお支払いしたら良いものか・・・?

 

「おいくらでしょうか?」とも聞きにくいし、聞いたところで「お気持ちで」と返される場合が多いと聞かれたことがあるかもしれません。

 

「じゃあ、結局いくら渡せば良いの?」ってなります。

「金額が決まっていないようで決まっているような」不思議なお布施の相場。

 

「そもそもお布施って何なの?」や「いくら位が相場なの?」と疑問を持たれてる方も多いと思います。

そこで、今回は「お布施の意味や金額や相場」について簡単に説明します。




お葬式でのお布施の内容とは?

「お葬式のお布施を渡す」ということは、誰かが亡くなられたので「お葬式の儀式をして戴く」ということです。

儀式の流れや内容としては、地域差は有りますが、一般的な流れや内容は、①~⑦になります。

①枕経:亡くなられた後のお通夜までの間に読経をしていただく

②一般的な戒名や法名を付けていただく

③白木の位牌に戒名や法名を書いていただく

④お通夜での読経 

⑤葬儀式(告別式)での儀式と読経 

⑥火葬炉の前での読経 

⑦還骨経(火葬後、お骨に還られての初めての読経)

こうやって表にすると、きっとあなたが想像されているよりも事柄が多かったのではないでしょうか?

この流れの中で、急な対応だったり、故人様の元・葬儀式場・火葬場へ何度も移動されます。

では、次に、この一連の流れと内容でのお布施の金額の相場をお伝えします。

お布施の相場とは?

宗派によっても違いますし、同じ宗派でもお寺様によっても多少の違いは有ります。

こちらでお知らせする相場は、一般的な金額です。そして、お寺様1名が来られた場合です。

葬儀式(告別式当日)に複数名を依頼される場合は、単純計算で言えば、下記の金額の半額を1名追加ごとに必要と考えてください。

宗旨宗派での御布施の相場

<宗旨宗派は大枠の分類でお伝えします>

【お葬式での御布施】上記①~⑦

・浄土真宗や真宗大谷派など浄土真宗系 15~25万

・浄土宗系 20~30万

・禅宗系(臨済宗や曹洞宗など) 25~35万

・真言宗系 25~35万

・日蓮宗系(日蓮宗・日蓮正宗など)25~35万

*上記は、一般的な戒名や法名の場合です。特別に「院号」などをお願いされる場合は、別途の金額が必要です。お寺様にお聞きください。

 

上記のお布施とは別で、下記のいずれかもしくは両方をお渡しする家も有ります。

「御車代」として1~3万:移動距離が近い場合はお渡ししない場合もある。

「御膳料」として1~3万:お食事や持帰り弁当を用意しない場合。

*一緒にお食事を召し上がったりお弁当を渡したりする場合はお渡ししない場合が多い。「お食事代」よりも「御膳料」が丁寧なので、この表現をする。

*お弁当なども用意せずに、お葬式のお布施にお食事代もお車代も含めて考える場合も有ります。

 

法要の御布施

「初七日法要のお布施」は、本来はお葬式のお布施とは別。

*「法要と名の付く場合」は3~5万。 

最近は、お葬式と初七日法要が火葬日当日にセットで考えられている場合も多く、初七日法要のお布施もお葬式のお布施に含めてお渡しする場合も有る。

 

*最近は、上記の④通夜の読経は要らなくて「葬儀告別式のみ儀式と読経をお願いしたい」「①④は要らない」や、「①④⑦は要らない」とお願いされる家もあります。

こういった場合は、葬儀社経由でお寺様に交渉することが多く、同時に金額の交渉も依頼されます。もちろん、安くなるように交渉いたします。

【お葬式や法要以外の御布施】

これらは、下記のような場合です。

*お葬式が終わってから、満中陰法要(いわゆる四十九日法要)までの間の毎週1回(7日毎)にお寺さんに家へ来て頂く場合。

*お盆やお彼岸にお寺さんに家へ来て頂く場合。

*祥月命日(ご命日の翌年以降の亡くなられた日:〇月〇日)や月命日(〇日)にお寺さんに家へ頂く場合。

 

こういった場合は、「お寺さんと言えまでの距離」も考慮に入れなければなりません。

*家からお寺の距離が近くて、徒歩や自転車や車で数分の場合。

お仏壇にてお経を唱えて頂くだけならば「3000円~5000円」が一般的です。

ただし、来て頂くのに片道30分や1時間掛れば、往復でも結構な時間が掛かります。近くをついでに回られる場合とそうではない場合が有りますが、そういった都合は我々には分かりません。

*家とお寺に少々距離が有る場合。

距離に応じて、御布施の金額を考えることが一般的です

・近くもないけれど遠くもない場合。

「3000円プラスアルファで御布施として5000円や1万円」「5000円プラスアルファで御布施として1万円」。

もしくは、「御布施を3000円、お車代3000円」「御布施を5000円、お車代3000円」といった渡し方も有ります。

・距離のある場合。

「御布施として3000円か5000円」「お車代として5000円や1万円」「御布施として1万円や1万5千円」など、距離や手間に応じて金額を考慮すれば良いのです。

*日本の「しきたり」として、御布施・ご祝儀・御礼などの金額は、「奇数」が通例です。

(例)「2千円なら3千円、4千円なら5千円、8千円なら1万円」に。

 

・1万円を超えるとキリの良い数字「0」か「5」で考えるのが一般的です。

1万円単位か5千円単位で考えるということです。

・ただし、偶数では「4=死」・奇数では「9=苦」、この数字は避けます。ですので、1万円を超える場合は2万円・6万円・8万円でも気にされなくとも良い傾向です。

 

理由は、「偶数ならば割り切れる」=「分かれる=別れ」=「縁起が良くない」という発想です。

「偶数の8」は「漢字の八」を見ると「末広がり」で「縁起が良い」とされています。

*こういった、「こじつけ」なので、気にし過ぎる必要は有りません。

 

御布施は高いのか?

お寺様への御布施は、何かをして貰ったことに対する報酬ではないと言われていますが、その考え方は現代の日本の社会ではもはや通用しないと私も感じます。

そこで、講演料や何かの行為に対する報酬(対価)として、あえてAとBの2点で比較して考えてみます。

A:講演料は、お願いする相手様によって金額が違います。有名な人や肩書の凄い人に対するギャラは高くなります。

B:何かの行為に対する報酬と考えれば、上記①~⑦の一連の行為に対しては、けっこうな動きや気配りや急な日程調整・プロとしての知識や技量が必要となります。

*お寺様は長年の学びと修行で会得された知識と技量で、読経や儀式などをされておられます。

*御布施が高いという議論が有ります。

私は、一概に「高い」とは言えないと感じます。

相手(お寺様)の立場や人柄やその行為や気持ちによると考えます。

ということは、業界の内側から見ていますと、お渡しになった御布施の金額が分かっているので、「値打ちが有るな!」と感じたり「高く感じる」こともあります。もちろん、「納得、妥当」と感じる場合、「安く」感じる場合も有ります。

・お布施が高いと思われるか妥当や安いと思われるかは、AとBの両方から考えてご判断されるほうが良いと感じます。




お布施の渡し方や包み方(封筒)

*無難なのは、「白い無地の和紙の封筒」

その表面の真ん中に、「御布施   〇〇家」もしくは「御布施」と書けばOKです。裏面には、金額を記載しますが、記載しなくてもOK。

「御車代」「御膳料」も、上記の御布施と同じ書き方。

 

*「御布施」は黄色と白の水引の袋を使っても丁寧で良いですし、無地の白封筒でも良いです。

 

*お札は、「旧札(古いお札)」

丁寧だからと、新札を渡すのはお葬式の考え方から外れるので、旧札(古いお札)で良い。

 

*お札の向きは揃えておいた方が丁寧ですが、それ以外は気にしすぎなくても大丈夫です。

細かいことを考え出すときりが有りません。基本を押さえて、気持ちが込もっていれば大丈夫です。

☞お葬式は、非日常の世界なので「逆さ事」にすると言われます。

お札の向きも逆さに向けて入れれば良いのですが、どの向きが逆さなのかは分かりにくいものです。

渡されるお寺様もそんな細かいことは気にされていませんので、普段に自分が普通と思っているのに比べて逆さまに向けて入れれば結構です。

「逆さ事」を気にするならば、何もかもは逆さ事は無理ですから、細かいことは気にしなくて大丈夫と思ってください。

「お札は新札はNG」という考えは、「お葬式は準備ごとではない=準備しているのではなく、人はいつ亡くなるか分からない突然の出来事」という理由から。

 

☞お葬式の位牌が白木・お葬式の前に枕元で使う机も白木が多いのは、こういう発想から。

「白木=塗っていない=準備できずに慌てて作った・用意した」ということを意味します。

 

お布施とは?

お布施とは、「お寺様の儀式や読経などの行為にお支払いするお金」と思っている人が多いと思います。

でも、儀式を執り行うことや読経をすることへの「対価ではない」とよく言われます。

 

「対価ではない」って言われても、「?」が頭の中に出てきちゃいます。

 

日本で暮らしていると、何かを買ったり何かをして貰うことに対してお金を払います。

それを”“対価”と言います。

 

ところが、お布施は「これがいくらで、これがいくら・・・」というものではなく御寺院がした行為や気持ちに対しての “お礼”や “ほどこし”だから、「対価ではなく定価も無い」との考えです。

 

そう、「ほどこし=施し」なのです。

御布施とは字のごとくで「布の施し」です。

 

大昔は、お金がしっかりと流通していなくて、物々交換をしていました。

「布」は高価なもので、お寺様のしてくださった有難いことに対して布で施しをしていました。

「ほどこす」の表現は上から目線のような感じですが、辞書で調べると、「与える」という上からの意味と「差し上げる」という丁寧な意味の両面があります。

 

お寺様の側からすれば、「法施(ほっせ)」をしています

「法施=仏法を人に説いて聞かせること」を相手に施しているわけです。

<法施を受け取った側は逆に「布施」でお返しをする>という、「お互いの気持ちの表れ」で有ったようです

 

踏み込んで言えば、お互いの気持ちでの行動なので、「払わなければならないという決まりもない」のです。

 

ということは、満足いかなかったり納得いかなければ、「お金を払う必要はない」「払うにしてもそれに見合う金額で良い」ということにはなります。

 

しかし、ご寺院様も貴重な時間を使い、そして、わざわざ来て頂いて、時には夜遅くや早朝や土日祝の対応の場合も有るので、現代社会では、来てもらう側も「何もなし」「お金ではなく品物」で済ませることなどできません。

そういう訳にいかないから「お布施はおいくらでしょうか?」と尋ねれば、「お気持ちで」とよく言われます。

但し、実情は、地域や宗派で「相場」があり、相場の範囲での依頼が多く、また、相場より安く包む(渡す)と「非常識」と受け止められてしまいます。




お布施の金額について

私も、お布施の金額をお客様から尋ねられて困ることがよくあります。

葬儀は今では地域に幾つもの葬儀社が進出して葬儀社を選べる時代になってきています。

それ以前は、その地域には特定の葬儀屋さんが1軒か2軒しかなくて、家やお寺や近所の集会所でお葬式を営み、葬儀専用会館なんて有りませんでした。

そんな時期に地域に進出した我々のような葬儀社は、昔は「あそこのお寺様のお布施は○○万円ほどです」と正直にお客様に答えて、御寺様から「勝手に金額を言うな」とよく叱られました。

だから、「御寺様に直接聞いてください」と答えるようになっていきました。

ところが、お客様が御寺様に「おいくら?」と聞けば「お気持ちで」と言われたので「どうしたら良いのでしょうか?」と再度質問されます。

「相場は○○万~○○万円ほどみたいですよ・・・」と当たり障りのない大枠の金額しか答えれません。

「お気持ちで」というならば、その価値はお客様が自由に決めても良いのではないかと感じるときがあります。

御寺様も凄く尊敬できる方から、自慢話ばかりして檀家から嫌がられているお寺など様々です。

お葬式でのお寺様の人数

お葬式に御寺様を数名呼ばれる家や地域が有ります。

もちろん、御寺様が増えればお布施も増えます。

 

最近は家族葬が増えて、お寺様1名のみが主流となっています

家族葬を希望されるお客様は「お寺を数人呼んで高く払うのはもったいない・・・」といった意識です。

実際は、家族葬であっても一般葬であっても、お客様から「お寺は1人で良いよね?!」とよく聞かれますし、全体で見ても、1人の場合が主流です。

 

しかし、お寺様から「葬儀社が1人で大丈夫とか言うな」とか「お寺は数人を依頼した方が良ですよ、と家の人に言って欲しい」と言われたこともあります。

☟家族葬の事なら、下記もご覧ください☟

【家族葬とは?メリット・デメリットは?】一般葬と家族葬の割合、値段などを解説!!

家族葬の場合の【気になるお葬式の費用の相場や平均】は?

檀家だから安くなる?

また、「檀家だから安くなるの?」と聞かれることもあります。

普通の商売で考えると、会員さんや常連さんは、普段からの利用や贔屓にしてくれているから安くなるのが一般的な考え方です。

檀家さんなら普段からの付き合いでお参りに来てもらってお布施を渡したり寄付をしたりしているので、当然、そう考えるのでしょう。

 

ただし、檀家より新規の方が高いかどうかは分かりません。

あくまでも、「定価は無い」という考えですから。

 

もちろん、ご寺院や神社などを運営や維持をされるのにはお金が掛かります。

そして、生活されているわけですから、生活費もお金も必要です。

そして、他の社会と同じように資本主義社会なので、競争があり貧富の差も生まれます。

 

だから、お寺もお金を頂く以上、「人気」や「商売」の要素や発想は必要と思います。

人気のあるお寺は人(檀家)が集まる。

檀家が増えればお金が集まる。

人気のないお寺には人が集まらない。

でも、信仰心や宗教心や先祖からの繋がりを考えると、人気のないお寺の檀家の場合でも、気持ち的に簡単に檀家を辞めて付き合うお寺を変えたりはしないので、お葬式や法事の時だけ我慢して依頼する場合も多いのです。

 

御寺様を見ていると、ホントに様々な方がいらっしゃいます。

偉そうにされている御寺院もあります。檀家さんのことを凄く親身になって繋がりを深く持たれている御寺院もあります。

 

しかし、これからは、宗教者も宗旨の考え方や伝統が基礎にある上での、檀家さんとの繋がりやその宗教者の「人柄」でどんどん差がつく時代になると感じます。

むしろ、そうなって欲しいものです。

最後に

葬儀業界の不透明性や問題点については、葬儀社ばかりが多く取り上げられます。

ところが、葬儀社以外でも業界全体で考えれば、宗旨やお布施や仏壇やお墓までも含めて、今後はまだまだ変革が必要です。

そして、その時代の意識や価値観の変化で変わっていきます。

 

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