お香典返しは「3分(3割)返しか?・半返しか?」どちらなんでしょうかね?
3割と半分では2割も差が出ます…。
お香典額が全体で50万なら、10万円も差が出ます。
ところが、「お香典返しは3割で良い」んです!。
じゃあ、なぜ「半返し」って言われるの?
私は葬儀業界を長らく見てきましたが、家族葬の普及とともに「半返しが主流」に業界が主流にしてしまったのです。
葬儀社や供養業者は「香典辞退は良くない」と考えています。
それは、お香典返しの売上が下がるからです…。
これは、利用者側の立場に立っての考えでは有りません。
私は「業者の立場」ではなく、
「葬儀のプロ」としてお客様目線で
今回のテーマ「お香典返しの相場」について
シンプルかつ分かりやすく説明します。
この記事を読むと、
お香典返しについての疑問が解消されます。
お香典とは?
そもそも、
「お香典=お葬式代金の補助に使ってください」という相互扶助の意味合いです。
ということは、
であるはずなのです。
しかし、最近では、そうとは限らないのです…。
最近のお香典と香典返し
近年のお香典を受ける遺族側の状況は下記の2点です。
②お香典の額に比べて参列への返礼品やお食事代や香典返しの費用が高くついてしまった。
お参りへのお礼品が少しづつ高価になっています。
➡これは、葬儀社やギフト業者が、そのような流れを作ったように感じます。
3割程度で良かったお香典返しの品を、
「半返し」として半分程度の金額を目安にお返しを選ぶような流れになっています。
そもそも、「お香典返しは3分の1から半分程度のお返し」という一般論は、丁寧に説明すると次の内容でした。
「通常は3割ですが、相手によっては半分くらいまで」といった一般論でした。
また、本来なら返さなくて良い供花や供物にまで、「丁寧」という理由でお返しを薦める流れになっています。
本来はお香典を貰うとどうなるか?
ここまでの説明から考えますと、
お香奠は「費用面でご遺族の助け」とならなければなりません。
ということは、
ご遺族にとっては、お香典額に近い金額や香典額以上の「*お返しなど」(下記参照)をする必要は有りません。
ところが、最近の状況は「実質負担額は大して下がらず、手間と気遣いの負担が増える」から「お香典辞退」が主流になっているのです…。
「*お返しなど」とは?
お香典を貰うと、葬式が終わって「お香典返し」の準備をし、49日法要までに「香典返し」をします。
現在、日本の多くの地域では、お通夜や告別式当日にお参りに来られた際に、「お参りに対する返礼品:お礼の品」をご遺族は準備します。
また、お通夜や告別式の前後に食事を用意します。
これらを総称して「*お返しなど」と記載しました。
お香典返しとは?
お香典を戴けば、いつの時代からか、
お返しをするのが「しきたり」となりました。
昔は、「持ちつ持たれつ」。
最初は「お礼のご挨拶」を行なうだけだったと思います。
いつの間にか「お香典を貰うとお香典返しをする」しきたりとなりました。
きっと、お世話になった「ほんの気持ち」から始まったのでしょう。
ところが、時代と共に形が変わって行きました…。
お参りに対しても、「参列へのお礼」を渡すようになって行きました。
私が、葬儀の仕事を始めた約20年前の2000年頃は
「お香典返しは頂いたお香典額の3割程度」が定説でした。
いつの間にか、現在では「半分ほどお返しをする」ようなスタイルに変わりつつあります。
これは、業者がいつの間にか「半分ほどお返しをする」といったスタイルに誘導しているように感じます…。
理由は、家族葬が増え、客単価が下がり、お香典辞退も増えて香典返しの売り上げが減っているからです。
*お香典額以上か・それに近い額の「お返しなど」をすると、ご遺族にとっては「手間が掛かるし、葬儀代金のサポートにもならない…」のです。
逆(渡す側)から考えると、
ご遺族にお渡しするお香典の金額は、下記の合計よりも多くお渡しするように要注意です。
・自分が貰ったお葬式の返礼品代金
・自分が飲食を振る舞って貰った飲食代金
・お香典返しで貰った品物代金
・そのほか、何かを受け取った代金
現在のお香典返しの現状と今後の考え方
次に4つの例を作りましたが、渡した額に占める費用負担が多くなっています。
今後のお香典返しの考え方
下記の例を見ても分かるように、今後の考え方は下記で大丈夫です。
・お香典返しの基本は3割程度でOK。
・ただし、相手によっては半分程度の返しをすることもある。
このように「本来のお香典返しの解釈」にてお考えください。
4つの具体例
具体例を、4つのシチュエーションで例を作ってみました。
*4つとも、負担費用は「最低限」で試算。
*お香典返しを「半分返した場合」と「3割返した場合」で試算。
*参列の返礼品は600円としました。
*参列後の食事は「つまむ程度」の1,000円。もっと飲食すれば、費用はアップします。
お香典が5,000円の場合:例1と2
お香典が1万円の場合:例3と4
お香典に対して半分返しならば、あまりサポートにはなりません…。
私は、お香典が5千円の場合は「3割返し」で充分だと思いますし、おススメします。
お香典をお渡しした側は「お返し」に対して重要視していません。
香典を貰う意義
本来、香典を受け取った場合のご遺族のメリットは2点。
①「お互いさま」の精神の交流→今後のお付き合いの円滑化。
②葬儀費用の実際の負担が少なくなる。
最近の「香典を受け取らない」風潮は、この2つのメリットが感じれなくなっているからです。
「お香典辞退するから、関係ないよ」と思われる人は、「もう少し説明を聞いてください」!
「お香典辞退」の誤解がありますから「要注意」なのです。
*理由は、こちらの記事でまとめています。👉お香典を受け取る?うけ取らない?
お葬式の実質の負担額
お葬式は、葬儀社などに支払う金額とご遺族の実質の負担額に差が出ます。
お香典を頂戴すると、「葬儀社などに支払う金額」と「実質の負担額」に違いが出ます。
<実質の負担額>は、
【業者への支払い総額-香典受取額 +香典返しなどの費用】
(「葬儀社や業者への支払い総額」ではありません)
一般葬では、
お香典を頂戴すると、
葬儀代金の実質負担額も少なくなる場合が多いです。
「お香典は頂戴するが、身内以外からのお花などのお供え(お供え物やお花)は辞退する」スタイルが気を遣わなくて済みます。
家族葬では、
一般からの参列とお香典とお供え(お供え物やお花)は辞退される場合が多いのですが、
親戚間では「お香典やお供え物は受ける」ほうがベターです。
ただし、お供えに関しては、親族からでも受け付ける範囲を決める場合も有る。
*頂戴したお供え物や供花(献花)などにお返しをされる場合
それらに対する返礼品代金もプラスの費用となります。
ところが、基本的には、
お礼のご挨拶のみで「お返しをされなくても大丈夫です」。
👉お返しされるご遺族も有りますが、ご遺族の判断となります。
👉「皆さんに返さない・皆さんに返礼品を返す・一部に返す」という判断になります。
*家族葬の費用の事を詳しくお知りになりたい場合は、
「家族葬の場合の気になるお葬式の費用の相場や平均は?」をご覧ください。
ご親戚からのお香典について
「お香典辞退」が進む中で、「親戚からも受け取らない」ケースを目にします。
ここでは、私の個人的な考えを申し上げます。
ご親戚からのお香典は受け取られた方が良いと感じます。
<受け取られた方が良い理由>
👉詳しくは、こちらの記事にまとめています。【香典辞退】親戚・親族の場合はどうしたら良い?遺族が知っておくべきポイント。
まとめ
お香典返しの相場について、まとめてみました。
従来通りの解釈が、いつのまにか、違った解釈に変わって行きつつあることが分かって戴けたと思います。
従来通りの解釈で、もちろん大丈夫です。
この記事の簡単なまとめは下記です。
・お香典返しは、お香典額の3割程度で選ぶのが一般的。
・相手によっては、半分程度をお返しする事もある。このあたりは、ご遺族と相手の関係性やお香典額などを高所して決めれば良い。
・親戚からのお香典は受けた方が良い。
・家族葬の場合は、親戚からの供物や供花に関しても、受ける範囲を決めた方が良い。
・供物や供花に関してはお礼の品物は基本的には不要。どうしてもの場合は、お返しする場合もある。また、お香典返しでトータルで考える事も有る。
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