最近は「お香典の立場が微妙」です…。
「お香典を頂戴した後の手間を考えると、お香典は貰わないほうが良い」というのが昨今の風潮だからです。
この記事を訪れたあなたは、「お香典って、そもそも何のために行なうの?」って疑問を持たれたと思います。
葬儀のプロである私としては、
辞書にあるような一般的な解釈よりも掘り下げて、解説いたします。
この記事を読むと、
お香典の意味と意義が理解できます。
お香典とは?
お香典とは、日本で長らく続いている「しきたり」です。
「昔から続くしきたりが良い」とは限りませんので、「悪いしきたりは、続かなくても良い」と思っています。
ところが、
お香典は、「日本の素晴らしい風習」だと思うんです。
そもそも「お香典」とは、
簡単に説明すると、
「お葬式のモノ的・費用的なご遺族へのサポート」です。
「香奠」と本来は書きます。
「香」は「香・お線香」の意味。
「奠」は「供え物」の意味。
お香はお葬式には、必需品です。
ところが、昔は、お香は高価なモノ。
だから、遺族以外の人がお香を供えたり、お香を買うためのお金を渡したりしました。
お米などを渡していた場合も有ったのです。
お葬式に必要なモノを買って渡すことに加えて、必需品を渡す代わりにお金を渡す。
お金を「お香の代わり」として袋に入れて渡す「奥ゆかしい日本のしきたり」なんです。
【しきたり】としての香奠とは?
香奠は、大昔からの「日本のしきたり」です。
昔の「村社会」、お互いに「持ちつ持たれつ」で「助け合い」。
そして、「おたがいさま」の精神。
この精神が「お香典」の基本的な考え方です。
お香典の大きな意義
お香典の大きな意義とは、
いつの時代も「ご遺族のために周囲が出来る事をして、ご遺族の負担を少なくする」意味合いの金品が「香典・香奠」です。
しきたりとしての「お香典」では、2つの面でご遺族をサポートしてきました。
①一大事を周囲でサポート
お葬式は嫌な出来事であり一大事です。
そこで、下記のようなことを周囲は行ないました。
・周囲が葬儀の手伝いをする。
・食事などが必要なので、お米などの現物でサポート。
・必要なモノをお供えする。
・費用の一部も香奠でサポート。
②隔離状態を周囲でサポート
大昔は、葬式をした家は、不幸で「けがれ」ているとされました。
→そこで、一定期間隔離されたようです。
→隔離期間の「食事用のお米など」を周囲でサポートをしました。
*「けがれ」は「穢れ」と書きます。
語源は「気枯れ」とも言われています。
気が枯れているから、周囲に移さないように「隔離」をされたのです。
お香典を渡す場合の注意点
ご遺族にお渡しするお香典の金額は、下記の合計よりも多くなるようにするのが基本的な注意点です。
・自分が貰ったお葬式の返礼品代金
・自分が飲食を振る舞って貰った飲食代金
・お香典返しで貰った品物代金
・そのほかで何かを受け取った代金
コメント