お釈迦様の事を調べると、「自灯明法灯明」という言葉がよく出て来ます。
自燈明法燈明とも書かれていたりします。
漢字ばかりで親しみを感じにくいのですが、「この6文字は深いことを伝えようとされている」ので取り上げました。
お釈迦様の教えの中でのキーワードでもあり、大事なエッセンスが詰まったキーワードですので、「自灯明法灯明」についてシンプルに解説します。
自灯明法灯明とは?
まず、「自灯明・法灯明」と2つに分かれます。
ご存じのように、中国経由で仏教としてお釈迦様の言葉が日本に入って来ました。
だから、お経も漢字が多いし、この6文字も漢字ばかりです。
お釈迦様が生きておられた当時は、文字も普及していなく、もちろん現地の言葉で相手に合わせて話しておられています。
ということは、お釈迦様は、この6文字を使われたわけでは有りません。
ところが、
この6文字にはお釈迦様の「あるお話のエッセンスが詰まっている」のでした。
自灯明・法灯明の背景
お釈迦様がお亡くなりになられる前に、お弟子さんこう言われたようです。
「私が死んでも、私を頼りにする者に真理の法は生きていることを伝えるように。自分(おのれ)を暗闇を照らす灯りとし、自分を拠り所にするように。法(教え)を灯りとするように。」
引用:ブッダの教えP108:西東社:田上太秀監修
自灯明・法灯明の意味
みなさん、
「自分が暗闇でも灯りになる」という意識をもって生きなさいよ。
それには、
「私(お釈迦様)ではなく、
私(お釈迦様)の教えを役に立てて、自分を磨いて覚りに近づくように」
こういった内容がこの6文字に詰まっています。
この言葉は、お釈迦様に関わられたたくさんの人々に発せられていますが、もちろんお弟子さん本人にも発せられています。
「あなたが暗闇を照らす灯りになって、世の中のために世を明るく照らさなきゃならないんだよ。
その根本には、時代が変わっても変わらない法則(真理)があるから、これからも自分を磨くように。
また、その真理を教えてきたのだから、それを守って伝えていけば大丈夫だよ」。
このようなメッセージではないかと解釈します。
京セラの創業者:稲盛和夫さんの「アメーバ経営」が同じお考えですね!
さらに、このようなことも意味合いも有ったようです。
「私を崇拝するのではなく、私が伝えた真理を伝えていくように」
直接に話を聴いていませんので、今では話の大筋しか分かりません。
しかし、このエピソードだけでも、素晴らしいお考えで生きて来られた方だと驚きます。
最後に
お釈迦様がお生まれになったのは紀元前500年ほど。
亡くなられてから、お弟子さん達がその教えを口伝でまとめていき、紀元前100年頃にスリランカで初めての経典が作られたようです。
お釈迦様がお亡くなりになって、数百年も経過して文字にされたことになります。
ということは、生きておられる間に文章で残っていた訳ではなく、「お釈迦様の教えはこうだった」と後でまとめられ現在に残っています。
日本に伝わる「お経」も、その1つです。
そして、時代もドンドン移り変わっています。
もちろん、時代が変わり、現代とはマッチしない部分もあるでしょう。
しかし、たくさんの「時代を超えても役に立つ教え」を残されたのは事実です。
時代が変わっても変わらないたくさんのエッセンスを我々は知ることが出来ます。
だから、現代でも我々の心の指針を示してくれていると思います。
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