礼服や喪服のインナー(シャツなど)の注意点って気になりますよね?!
というのは、「喪服・礼服」って言葉を聞くと「マナーに気を付けなきゃ!」って思ってしまいますから。
でも、そんな難しいことじゃないので、安心してください。
冠婚葬祭のプロが、この記事で分かり易くシンプルにまとめてみました。
まずは、2点お伝えします。
- 格式ばったお堅い式典以外は、気にし過ぎなくてもOK
- 気になるなら、その式典に参加される他の人がどんな服装か聞いてみる
*これを念頭に置いて、この記事を読み進めて貰うと分かり易いと思います。
この記事を読むと、
- 礼服と喪服の違いや注意点
- 礼服と喪服のインナー(シャツなど)の注意点や選び方
が分かります!
「礼服・喪服」の違いが分かれば、インナー(ワイシャツ・カッターシャツ)の注意点が分かる
まずは、礼服や喪服の違いを簡単に説明します。
これを知ると、インナーの注意点が分かるからです!
「礼服」は、「冠婚葬祭などの儀礼に出席する時に着る服」です。
字のごとく「礼儀」に注意しなければなりません。
どんな礼儀に注意を払うべきかについて、簡単に説明して参ります。
現代で考えると、冠婚葬祭とは
- 冠=人生の節目の祝い事(成人式や七五三や還暦など)
- 婚=結婚式
- 葬=お葬式や法事(法事は祭とも考えられますが、現代では葬の意味合いが強い)
- 祭=特別な日の行事(お正月や地鎮祭など)
簡単に言えば、「冠婚葬祭の出席時に着る服」はすべて「礼服」なんです。
「礼服・喪服・ブラックスーツ・ブラックフォーマル」の違いとは
日本では、黒の上下を着用すると無難なので「礼服=ブラックスーツ」となっています。
また、「フォーマル=正式な」と言う意味から、
「礼服≒ブラックスーツ≒ブラックフォーマル」といった認識が最近では主流となっています。
礼服と喪服の違いは?
礼服の中で「葬」の場合だけを「喪服」と呼びます。
「喪:も」とは、「死者を哀悼すること」「死者を葬る儀式」「亡くす・失う」と言う意味です。
ですので、「喪服=お葬式の時の服装」を意味します。
- 男性は「上下ともに黒のスーツ・白シャツ・黒ネクタイ・黒い革靴」
- 女性は「上下ともに黒・インナーは白か黒・黒い革靴」
となります。
礼服と喪服の兼用は良いの?
礼服の中で、お葬式に着る服を「喪服」と呼んでいます。
様々なシーンで無難に着れる礼服が「男性では、ブラックスーツ≒ブラックフォーマル」なので、わざわざ「黒のスーツを、礼服・喪服として使い分ける必要はありません」。
兼用しても全く問題はありません。
礼服に共通する注意点やマナー
👆これを考えれば答えはシンプルです。
実はこの2点を考えて注意すれば良いのです!
<礼服を選ぶ際の注意点>
- 冠=その式での主役よりは目立たず、その席の場の雰囲気を良くする。
- 婚=新郎新婦が主役。そして、ご両親やご親族もお祝いをして貰う側です。参加者は、目立ち過ぎるのは良くないのですが、お祝いの席ですから、雰囲気を良くする着こなしはOKと考えます。
- 葬=亡くなられたご本人(故人)が主役で、ご家族(ご遺族)は悲しみの真っただ中。だから、派手な衣装や香水など目立つモノは避けるべきです。
- 祭=主役はその祭りや式典の主催者や参加者全員など様々です。主役は、モラルには気を付けて、祭りや式典が行われている目的に合う服装を考えればOKです。
👆これらが理解できると、自然と「礼服のインナー(シャツなど)の注意点」が分かります!
メンズ:男性モノの礼服・喪服のシャツの注意点
男性の礼服のインナーのポイントですが、原則は「ネクタイ着用」なので「襟付きシャツ」となります。
まずは、
「冠婚葬祭」の「冠婚祭」と「葬」で分けて考えるとシンプルです。
冠婚祭のインナー場合
「葬」以外の礼服時はこちらのルールを理解すれば判断がしやすくなります。
「冠婚祭」の場合は、ほとんどがお祝い事ですよね。
男性の場合は
「ネクタイは普通のネクタイと蝶ネクタイ」
です。
👇フォーマルに見せたい場合は、蝶ネクタイでも普通のネクタイでも「ベスト着用」すると良いです👇
かしこまった場では「白い襟付きシャツ」が無難です。
それ以外では、お祝いですので少々派手でもOKです。
「自分が主人公以外の席」では、
- 主人公よりも目立たず
- 主人公を引き立て
- その集まりに花を添える
以上の意識で服装選びをしてください。
「葬=喪服」のインナーの場合
喪服の場合は「悲しみの場」ですので、派手な色目や柄は良くありません。
お葬式
お葬式は、たいていはお葬式前日までに知らせを聞いているので、下記が基本です。
- 「ブラックスーツ=ブラックフォーマル」での参加
- 「襟付きの白いシャツ」が無難
- シャツの生地も極力、柄の無いもしくは目立たないモノ
- ネクタイは「基本は無地の黒」
でも、お葬式は急な出来事…。
急すぎて、喪服が無い場合やサイズが合わない場合も有ります…。
そんな場合は、「地味な服装」で参加してもOKです。
服装よりも「出席する事・お悔やみしたい気持ち」が大事だからです。
お通夜
お通夜の場合も、「急な訃報(亡くなられた知らせ)を聞いてお悔やみに参上する」気持ちが服装よりも重要です。(お通夜は、翌日の「お葬式=告別式」よりも早くに行なわれる分、さらに急な出来事です)
ブラックスーツでなくとも実はOKです。
派手さに注意をして地味な服装で「駆け付ける」ことが大切です。
法事(法要)
法事は、49日法要(満中陰法要や35日法要)と1周忌は「ブラックスーツ」が無難です。
法事の際も「襟付き白シャツ」が無難ですが、ネクタイは「シルバーか地味なモノ」でOKです。
法事の場合、「平服にて」や「3回忌以降」の場合は、襟付きシャツが無難ですが、色は地味なモノならOKです。
礼服のシャツ(ワイシャツ・カッターシャツ)の選び方
男性が礼服として着る場合は、ネクタイ着用が基本です。
礼服のシャツの色・柄・素材
最近は様々な「色・柄・素材」が売っていますので、何を注意すれば良いのでしょうか?
色
喪服の場合、基本的な考え方は男性の場合「白の無地」です。
それ以外の「冠婚祭」の場合、現代でも白の無地が多いのですが、TPOに合わせて「主役よりも目立たない」ように意識をすれば、どんな色・柄・模様・素材でもOKと私は考えます。
例えば、青やピンクやストライプなどのシャツは、披露宴やお祝いの式典を華やかに演出すると思います。
生地や織り方
最近は、生地の織り方も色んな種類が有ります。
「冠婚祭」の場合でお堅い式典以外では、TPOを考えれば、どんなものでもOKと思っています。
法事でも49日と1周忌以外(3回忌から)は地味な色柄ならOKです。
お通夜や法事は「地味な色柄」なら大丈夫です。
ところが、
お葬式は「白の光沢の無いシンプルな生地」が基本です。
素材は、お葬式と法事(特に49日と1周忌)は、光沢のあるモノやカジュアルに見えるモノは避けた方が無難です。
それ以外は、「礼服=フォーマルウエア=キチンとした服装」ですから、カジュアルに見えなければどんな素材でも光沢や織り柄は、TPOに合わせて選べばOKです。
シャツの襟(レギュラー・ボタンダウンなど)
最近は様々な襟の種類が販売されています。(レギュラー・ボタンダウン・ワイド・カッタウェイ・ダブルカラーなど)
礼服時は、よほどのお堅い場以外では「襟の種類は気にしなくても大丈夫」です。
最近は喪服の場合でも、黒のネクタイなどをキチンと締めていれば、えりのスタイルは気にしなくても大丈夫です。
(ただし、喪服の場合は「白の無地」が基本なので、ダブルカラーで白以外のの色が使われているモノは本来は避けた方がマナー的には無難です)
👇蝶ネクタイの場合は、「蝶ネクタイ用のシャツ」も有りますし、最近は「普通のシャツ」に合わせる人も増えています。出席側で、蝶ネクタイを締める場は主に「結婚式や披露宴」ですので、ベスト着用すると「フォーマル」に見せれます👇
襟の色
礼服時は、「白いワイシャツ・カッターシャツ」が無難ですが、お堅い式典やお葬式以外は、色柄は気にしなくてもOKです。
*TPOを考えてお選びください。
最近は、襟と本体(ボディー)の色が違うシャツも多く販売されています。
*お葬式や法事(特に49日と1周忌)は、「襟も本体も白の無地」が基本です。
*ところが、法事でも49日と1周忌以外(3回忌から)は襟とボディーの色が違うシャツでもOKです。ただし、お祝い事ではないので派手な色は避けます。
シャツのボタンの色やデザイン
ボタンも様々な色やデザインが増えています。
色やデザインは、「お葬式・49日と1周忌の法事=葬」以外は、気にする事はありません。
「葬の行事」に参加の場合、シャツのボタンであっても、派手な色やデザインは避けるべきです。
原則的に「白かダーク系のボタン」を選んでください。
シャツの第一ボタン(一番上のボタン)について
これについて検索された人は下記の疑問が有ると思います。
- 「第一ボタンは留めた方が良いのか?」
- 「2つボタン式や3つボタン式があるけれどOKか?」
第一ボタン(一番上のボタン)を締める(閉める)べきか?
これについては、
礼服であっても、スーツ着用時のマナーは「締める:閉める」ほうが正しい着こなしです。
理由は、閉めないでいるとダラしなく見えるからです。
「ネクタイを締めているから分からない」と思うかもしれません。
ところが、そう思って着ている人の大半はネクタイも緩み気味で第一ボタンが閉まっていないのが見えやすくなっています。そうすると首元がダラしなく見えてしまいます…。
第一ボタンのデザインは? 2つ式や3つ式でもOK?
1つ式や2つ式までが無難です。
昔は1つ式の第一ボタンしかなかったのですが、襟(えり)の部分が高くなってなくネクタイを締めた時に首元がカッコ良いので「2つ式」のボタンが増えました。
3つ式以上は、襟がかなり高くなる分フォーマルと言うよりも「超個性的」な雰囲気となりますので避けるほうが良いと思います。
シャツ選び:おすすめポイント
2つのおススメ点が有ります。
①ノンアイロン加工
表示としては、「ノンアイロン加工」「形態安定」「イージーケア」などの表現が有りますが、いわゆる「アイロンを掛けなくても良いシャツ」は便利です!
*最近は、こういった加工品でも値段は少し高いだけですので、選ばれると洗濯後が楽です!
サイズの合ったものを選ぶ
男性モノのシャツは「首回り・腕の長さ」から自分のサイズを選ぶとカッコ良いのです。➡「S・M・L」ではなく「cm」から選ぶと良いです。
理由は、たいてい首回りは2センチ刻みなので、SML表示よりも首回りのサイズが豊富で「より首にフィット」するからです。
こういったシャツは「ネクタイを締める前提」で作られています。
*特に、首回りはネクタイ着用時に重要になります。
首元のサイズが合っていないと、ネクタイ着用時に不格好になってしまいます!
*自分の首回りサイズが何cmか知っててくださいね。
礼服に半袖を着ても大丈夫?
最近は、日本の夏はかなり暑いです…。だから、日本でも半袖はOKです。
実は、フォーマルウェア(礼服)は国によって考え方が違います。
気候が違うから、常夏の国では、半袖が基本の国も当然あります。
ただし、冷房の効いた場所や式典中は極力、
上着(ジャケット)も着用する方が、フォーマルに見えますので無難です。
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