「子育て」にも「アドラー心理学」は、有効です!
この記事では「勇気づけ」について、具体例も使って分かりやすく説明します!
こちらのサイトでは、アドラー心理学の記事がコンスタントに読まれています。
アドラー心理学には「対人関係」において、参考になる考え方が詰まっています。
また、この考え方の原点のアドラーさん(生1870年~1937年)は、
「人の悩みを減らすには対人関係の悩みを減らすこと」と考えました。
子育ても「親と子の対人関係」ですので、とっても有益な内容がアドラー心理学には有ります。
2013年に仕事上の事で精神的に参ってしまい、会社を辞めちゃいました…。
そんな時に出会ったのが「アドラー心理学」です。
アドラー心理学と出会って以降、「自分の価値観」が変わりました!
そして、アドラー心理学を学んでいるお陰で、子供や嫁さんとの関わり方や関係性が変わり、家族との関係が「良くなった」と実感しています。
*参考記事→価値観とは?価値観が変わると見える景色が変わる!
この記事を読むと、下記の事が分かりやすくなるので、子育てに活用しやすくなります。
- 「勇気づけ」って分かりやすく説明すると?
- 「勇気づけ」の言葉や声掛けの実例
子育てにも「アドラー心理学」
アドラー心理学は、心理学と名前が付いていますが、人や自分を分析する心理学ではありません。
「自分が自分らしく生きるための実践法」がまとめられています。
どうすれば「自分と他者との関係において、自分は幸福感を得られるのか?」について、とっても参考になります。
「アドラー心理学の難しいところ」とは?
アドラー心理学は、学問的に難しいことを学ぶのではありません。実に、シンプルで分かりやすいのです。
何が難しいのでしょうか?
最大の難しさは、ダイエットなどと同じで、「継続して実行する」ことが難しいのです。
人って「やってみたけれど、思った通りの結果が出ない」「実行したけれど、続けるのが難しい」ってことが多くは有りませんか?
でも、アドラー心理学を学ぶと次の3つの事が大事だと理解できます!
- 行動すること
- 継続すること
- 試行錯誤すること
*アドラー心理学については、下の記事でシンプルに分かりやすくまとめています。➡心理学が楽に生きる役に立つ!今日から使えるアドラー心理学
今回の「勇気づけ」については、すぐには上手く行かないかもしれません。
または、考え方は分かっても、急には上手く取り入れることが出来ないかもしれません。
でも、安心してください。
みんな、最初はそうなのです。
焦らず慌てず、コツコツとコツをつかんで行けば、少しづつ出来るようになります。
「勇気づけ」
「ほめる」ことも大切ですが、「ほめるよりも、勇気づけが良い」という考え方がアドラー心理学には有ります。
「勇気づけ」という言葉をアドラー心理学では使います。
- 「ほめる」行為に対する反対の言葉は「叱る・怒る・注意をする」となります。
- 「勇気づけ」の反対の言葉は「勇気くじき」と言う言葉が使われます。
- 「勇気くじき」とは、「勇気づけ」するのではなく「勇気を取り除く言葉や行動を相手にしてしまうこと」です。
「勇気」とは?
「勇気」とは、「困難を克服する力」です。
この「勇気」は人間が本来に持っている力です。
*「子育てでの勇気づけ」とは「親が子の力を引き出していく」ということです。
「困難を克服する」には、「自分は出来る」という「自信」が必要です。
「勇気づけ」とは「自信を育む」と言い換えられます。
「勇気づけ」とは?
「自信を育てる」ことです。
「自分の力で」出来るようになることです。
例え失敗したとしても、「チャレンジしたこと」「行動を起こしたこと」は素晴らしいことです。
「チャレンジすること」「行動を起こすこと」が無ければ、何も始まりません。
「自信を付ける」ことを助ける行為、それが「勇気づけ」です。
「勇気づけ」の基本
ポイントは3つです。
①共感
相手の立場で感じることです。
具体的には、結果に対して言葉を掛けるのではなく、過程も含めて、「がんばったね!」という言葉です。
「ありのままで自分で受け止めて貰えるという安心感」に繋がります。
たとえ失敗しようと「次はがんばろう」という気持ちになれます。
②こちらのプラスの気持ちを伝える
「ありがとう」「うれしい」「助かった~」という、こちら側の気持ちを伝えることもポイントです。
人から「ありがとう」と言われて嫌な気持ちになる人はいません。
自分がした行動で、人が喜んでくれれば、誰しも「自分も嬉しい」気分になり、自信も湧きます。自分の存在価値を感じることが出来ます。
「人の役に立つと嬉しい」という心を育むことにも繋がっています。
③気持ちを伝えなくとも、お子さんに注目することも大事
すでに出来ていることに対しても、「勇気づけ」は有効です。
この場合は「事実」だけを伝えれば良いのです。
例
- 嫌いなモノが食べられるようになっている場合:「お魚も食べれるようになっているね!」
- 日々の成長について:「凄く成長したように感じるよ!」
- 日常の出来事について:「少しづつ出来るようになっているね!」
*難しく考えなくて、見たままを伝えれば良いのです。
- 「宿題してるんだね」
- 「ゲーム、たのしそうだね」
*こんな言葉も「見ているよ」のサインとなって「見てくれている」と言う安心感につながります。
*自信の元になります。
➡これも「勇気づけ」です。
「ほめる」と「勇気づけ」の2つの違い
大きな違いは2点です。
①受け手の気持ちの向く方向が「まったく逆」
ほめられても、勇気づけられても、どちらにしても、された側(子ども)は「悪い気持ち」はしません。
ところが、「気持ちの向く方向」がまったく違います。
ほめられると、「お母さんにほめられたい」「お母さんは喜んでくれるだろう」という意識が生まれます。➡気持ちは「お母さん:相手」に向いて行きます。
ということは、「自分は、本当は、そうしたくないのに、ほめられるために本心ではない行動を取る」ことに繋がります。
「勇気づけ」は、「●●をしたら、お母さんも喜んでくれた」と言う気持ちになります。➡気持ちは「自分の自発性」に向いて行きます。
「勇気づけ」から発生する行動は、「自分の本心からの行動」です。
おまけに、その行動を、相手も喜んでくれたので、更に嬉しくなります。
*勇気や自信の元になります。
②言葉を掛ける側と掛けられる側の立場の違い
- 「ほめる」は、「ほめる側の立場が上・褒められる側の立場は下」の関係に、自然となってしまいます。
- 「勇気づけ」は、「相手の立場に寄り添って共感する」ので「立場の上下は無い」関係です。この「相手の立場に立つ・寄り添う」そして「共感する」、これがポイントです。
「共感する」とは「子供さんの取った行動を一緒になって喜ぶ」ことです。
または、
「子供さんの取った行動に対して、ありがとうと伝える」ことです。
これが、「子供の勇気と自信の元になる」という考え方です。
子どもに対する勇気づけとは?
次の例は、お子さんの行動の後の親の反応です。
「ほめ」「勇気づけ」「勇気くじき=勇気づけの反対」、どれに当たりますか?
- スゴイ! エラい! おりこうさん!
- 良かったね! 次も上手く行ったら〇〇を買ってあげるね!
- ありがとう! 助かったわ!
- まぁ、珍しい。次も出来るかな?
- まぁ、珍しい。 次もやってくれたら嬉しいわ。
- 1は「ほめ」。
- 2は「ほめ」プラス「ごほうび」。
- 3が「勇気づけ」。
- 4は「いやみ」で「勇気くじき」。
- 5も1種の「勇気くじき」。
3つの実例
①子どもがテストで良い点数を取ってきた
- スゴイね! さすが! :△「ほめ」
- 良い点を取って嬉しそうね! お母さんも嬉しいわ! :〇「勇気づけ」
- やればできるから、次もがんばって! :×「勇気くじき」
- このくらい、できて当然ね! :×「勇気くじき」
②子どもが留守番をしてくれた
- 良い子ね!お母さんは嬉しいわ。 :△「ほめ」と「勇気づけ」だが、「ほめ」
- そろそろ留守番位できないとね! :×「勇気くじき」
- 助かった! ありがとう。 :〇「勇気づけ」
③子どもが試験に不合格
- 次こそは合格しないとね! :×「勇気くじき」
- 不合格だったけれど、お母さん、がんばってる姿を見てエライなって思ったよ! 次もがんばってね! :△「ほめ」プラス「勇気づけ」
- 不合格だったけれど、よく頑張ったね! がんばってる姿、お母さんは嬉しかったよ! 次も、がんばってね! :〇「勇気づけ」
「良くない結果」の場合
不合格の場合は、結果ももちろん大事なので、難しい部分も有ります。
不合格が続けば「本人の自信にも影響」します。
この辺りは、親御さんがお子さんの適性も考えなければならないでしょう。
ところが、「親が一方的に決めて辞めさせる」のは良くないと考えます。
親は「自分の意見を言って、もちろん良い」のですが、「自分の意見は押し付けないで結論は子供が決める・子供が決めたことを尊重する」ことがポイントだと、この本には書かれています。
- 「不合格だったけれど、がんばっていたよね! 次からどうしたら合格できるか、一緒に考えてみよう」
- 「不合格だったけれど、しんどかったら辞めても良いよ! これまで頑張って来た姿を見てお母さんは嬉しい。 結果よりもその「行動」が大事だとお母さんは思う」
こんな風に、お子さんが自信を無くさないように、うまく導いてあげたいモノです。
大事なのは、
- 「結果も大事だけれど、結果がすべてではない」
- 「結果よりも過程が大事だよ」
ということを親子で共有することだと考えます。
*親子で「結果を受け入れ」、「今後はどうしよう」を考えることがポイントのようです。
注意点
注意点は2つ有ります。
マイナスの面に焦点を当てない
- お皿を割っても「大丈夫? けがはない?」
- ピアノの発表会で失敗した時でも「失敗したけど、やり直して最後まで弾けたね!」
このように、マイナス面に焦点を当てないようにしたいモノです。
他の子どもと比べるのではなく、個人の成長について言葉を掛ける
- 「この前よりも進歩しているね!」
- 「少しづつ出来るようになっているからね。できる事からやっていけば大丈夫」
- 「だんだんできるようになっていくよ! 応援しているね」
「ほめる」よりも「勇気づけ」を意識する
「ほめる」行為には「デメリットも有る」ので、悪い行為ではないけれども、「注意が必要」なのです。
だから、アドラー心理学では「ほめるよりも、勇気づけ」を重視しています。
【ほめられる事の先には?】
一般的に下記のようなことが言われますよね?!
- 「しかる・おこる・けなす」よりも「ほめる」。
- 「ほめて、人を伸ばす」
- 「私は、ほめられて伸びるタイプ」
- 「アイツは、ほめると調子に乗る」
- アイツはほめるよりも「しかる・けなす」ことで伸びるタイプ。そうすると、「悔しい」という気持ちに火が付きやる気になる。
どれも、間違ってはいません。
ところが、
「ほめる」行為は、「ほめられたいから、その行動をする」ことに繋がります。
「自分の本心とは違う行動」になりがちです。
「ほめる」のデメリット
ほめるばかりでは副作用が有ります。
- ほめられないとやらなくなる
- ごほうびがないとやらなくなる
- 自信を失っていく(周囲の評価を気にして人の顔色をうかがう・いい子を演じるようになり、ありのままを認められなくなりがち…)
- 失敗を恐れるようになる(達成した結果に対して「ほめられる」ことが多いので、達成できない事や失敗を恐れがち…)
- 指示待ち人間になりがち
子どもをほめてばかりいたら、こんなことも起こりがちです。
- 子どもがほめられたくて何かの行動をし、子どもから「スゴイでしょ?エラいでしょ?」とアピールをしてくるようになる。
- 子どもが自分の行動に自信が持てなくなり、何をするにも「これで良い?」と(親に)確認するようになった。
ほめることは悪い事では有りません。
この記事をきっかけとして、ほめることに加えて「勇気づけ」を増やすようにチャレンジしてみてください。
お子さんが3歳くらいまでは、「勇気づけ」や「ほめ」を意識し過ぎなくてもOKです。
「自我が芽生えて子供が他人を意識するようになった」2~3歳以降から、「勇気づけ」を意識して使ってください。
「ごほうび」は「要注意」!
「ごほうび」で相手の行動のやる気を起こさせるのも「要注意」とされています。
- 「ご褒美が欲しいから、やる」
- 「ご褒美が無いから、やらない」
- 「ご褒美が有ると思って行動したけれど、今回はご褒美が無かった…」➡次回のやる気に関係します。
「ほめる」も「ごほうび」の1つと考えることが出来ます。
「ほめられる」というご褒美の例
例えば、この本の著者の経験談で「小学校の例」が載っていました。
- 教室に落ちているごみを拾った時に、いつも生徒を褒めていたようです。
- すると、先生(著者)がたまたま出張で1日居なかった時には、教室にはたくさんのゴミが…。
最後に
ほめないよりは「ほめたほうが良い」のですが、今後は「勇気づけ」を意識して声掛けを行なってみてはいかがでしょうか?
「勇気づけ」は、親であっても子どもさんでも「自分の自信に繋がる」ので重要と考えます。
おおらかに、お子さんの「勇気づけ」チャレンジしてみてください。
お子さんの「勇気づけ」は、お子さんの「自信・自立心」を育てることに繋がります。
こちらの記事は、お母さんに対しての勇気づけを目的として書いています。→「子育て:上手く行かない・後悔してしまう・疲れた…。そんな時は、アドラー心理学」
*アドラー心理学は、「対自分」そして「対人関係」にとっては、とても有益ですので、興味のある方は、学んでみてください。
ところで、
アドラー心理学では「課題の分離」と言う言葉が有ります。
最後に、この記事を読んでくださったお母さん・お父さんにお礼を申し上げます。
この記事を最後まで読んでくださることは、私の「勇気づけ」になりました。
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