アドラー心理学の【課題の分離】が子育てに良い?!
そんな話を聞かれて、この記事に立ち寄られたと思います。
でも、【課題の分離】って言葉、とっても「堅く」感じてしまいます…。
ちょっと待ってください!!
興味を無くすのはこの記事を読んでから判断してください!!
って、責任重大になっちゃいました(笑)
言ったからには、心を込めて、僕の持っている力を精一杯使って、シンプルに分かりやすく説明します。
理屈さえ分かれば、心がとっても軽くなるんです!
おまけに、子育てでのヒント満載です!
簡単に言えば「課題を分けて考える」ことです。
どう活用できて、どう子育てに活かせるのか?
この記事を読むと、
「課題の分離」を実践しやすくなるので、
「子育てでイライラすることが減って、心が軽くなります」。
*いくつかの例を挙げているので長い記事になっています。
何度かに分けて「じっくり」読み進めてください。
「課題の分離」とは?
「課題を分けて考える」ということですよね。
「幸せに生きる」上で、多くの人が抱える人生の大きな課題が「対人関係の悩みの解消」です。
アドラー心理学では、その悩みから脱却するカギは「自分」にあると教えてくれています。
そして、「人は変われば脱却していける」のです。
*「課題の分離」とは、アドラー心理学で提唱する、幸せに生きる上での「自分を変えるための5つのキーワード」の1つです。
僕は、この5つのキーワードの中で、「課題の分離」が一番分かりにくと感じています。
特に「子育て」となれば、「課題が分離しにくい」ので誤解が多いと思います…。
でも、これが分かれば「とっても気が楽ちん」になるんです。
おまけに、「改善や解決の方法が分かる大きなヒント」になります!
そこで、丁寧かつシンプルに説明して参ります。
課題を分けるとは?
「自分の課題と他者の課題」に物事を分けて考えます。
*「他人」のことを「他者」と表現されます。
「他者=他人=自分以外の人」という意味です。
・「他者は変えれないが、自分は変わることが出来る」。
・他人を変えることは出来ないのだから、「他者の課題には踏み込まない」。
これが、課題の分離の基本的な考えです。
子育てで課題を分けるメリット
子育てで、「親の課題」と「子供の課題」とに分けると2つのメリットが有ります。
1・気持ちが割り切れて軽くなる
悩みや問題点は、いくつかの要素が絡んでいることが多くあります。
では、課題を分離することで、なぜ気持ちが軽くなるのでしょうか?
「コントロールできないことに心を惑わされない」
まずは、子育てで、「課題を分ける」ことが出来るようになれば、心は楽になります。
アドラー心理学ではこんな例え話が出て来ます。
水辺に馬を連れていくことは出来るけれども、馬に水を飲ませることは出来ない。
水を飲むかどうかは「馬が決めること」であって、言葉の通じない馬に「水を飲みなさい」と言っても言うことは聞いてくれません…。
ということは、水を飲まないからと言って、「イライラ」したり「怒り」を感じても意味は有りません。
むしろ、精神衛生上に良くありません。
*何かが起こった時、
「これは自分にはコントロールできないから仕方ない」と割り切れると、気が楽になります。
例えば、
「次の日に学校が有るのに子供が早く寝てくれない…」
「子供のおねしょが、まだ続く…」。
例:次の日に学校が有るのに早く寝てくれない…。
「寝不足で学校に行って、しんどい想いをするのは子供だから、言っても聞かない以上、私の課題ではない」と割り切ってみてください。
寝てくれなくても「言うことを聞かない」ことに対するイライラや怒りは鎮まるはずです。
例:こどものおねしょが、まだ続く…。
「子供のおねしょが続く」ことは、おねしょが無くなるように試行錯誤をしていても、「やきもき…」「親が原因?」って思いがちです。
これも、「子供がおねしょをすることは、私にはコントロールできないことなので、仕方がない」と割り切ると心が軽くなりませんか?
試行錯誤しているならば「親としては出来ることをしている」はずです。
それならば、「親が原因」と思わずに「自分がコントロールできないことに心を向けずに、コントロールできることに心を向けてみる」ことは有効と思います。
自分ではコントロール出来ないことに視点や考えを向けるのではなく、自分のコントロールできることに気持ちを向けます。
自分がコントロールできない事や自分では解決できない事を色々と考えても時間の無駄です!
では、自分がコントロールできることは何なのか?
自分の考え方や行動は自分でコントロールできます!
でも、若い人は「自分をコントロール出来なくて困っている」人も居るかもしれません…。
実は、おじさんの僕でも、「自分をコントロールしきれていません…」。
100%コントロールできなくても良いのです!!
「コントロールしようとすることで少しづつでもコントロール出来るようになります」
100%なんて必要ないんです。
マイペースで少しづつでOKです。
そして、
少しでも自分が変われば、
相手が変わらずとも
相手との関係性に変化が出ます。
少しずつでも自分が変わることで、未来は変わって行くのです。
この繰り返しをして、少しづつ自分と未来を変えていけば良いのだと気が付きました!!
2・冷静になれる。
「課題を分けること」で客観的に自分を見るようにします。
他者になったつもりで冷静に自分を観察してみましょう。
すると、自分のイライラや怒りに「気が付く」ことになります。
そして、気が付くことによって「落ち着こう」と冷静になれるので「鎮める」ことが出来ます。
結果として、イライラや怒りを自分でコントロール出来るようになるのです。
悩みの多くは、「自分でコントロールできることと出来ないこと」が混ざっています。
コントロールできないことを悩んでも、どうすることも出来ません。
他者の気持ちを変えることも過去の出来事を変えることも出来ません。
しかし、自分と未来は変えることが出来ます。
言い換えれば、
自分が変われば未来が変わって行くということです。
親子関係と課題の分離
人間関係には様々な関係が有ります。
すべて、自分と「他者」なのです。
これらには「相性」「仲の良し悪し」といった関係性が生まれます。
この人間関係の中で「ストレスや悩み」を感じてしまいます。
当然、関係性が近い(親子や兄弟姉妹など)ほど、上手くいかない時には「ストレスや悩み」は大きくなります。
子育てへの活用
「課題の分離」の子育てへの活用は、きちんと理解したうえで行なった方が良いと感じます。
インターネットで「課題の分離 子育て」で検索して、いくつかの記事を読んでみました。
上手くいかなかった例も載っていました。
残念ながら、
上手く行かない原因は「課題の分離の理解不足」です。
ここでもう一度「課題」について考えてみます。
- 自分の課題=自分でコントロールできる課題。自分自身の問題。結末を引き受けるのは自分。
- 他者の課題=自分ではコントロールできない課題。結末を引き受けるのは自分ではない問題。
例えば、「こどもが勉強しない」ということで親が悩んでいるとします。
「誰が、その課題の結末を引き受けるのか?」で考えると、
「子供が勉強しなければ、子供の人生にはマイナスで、結末を引き受けるのは子供自身」となります。
果たして、それで良いのでしょうか?
2つの大きな疑問
「子供が勉強しなければ、子供の人生にはマイナスで、結末を引き受けるのは子供自身」となるので、「こどもの課題」ということは正解です。
他者の課題なので、本来は親であっても、子供の意志は変えることは出来ません。
アドラー心理学的に考えがちなのは「他者の課題だから踏み込まない」ことになります。
ここが大きな誤解を生むところです。
1・そんな簡単に割り切って良いのか?
子供の課題だからと「突き放す」ことは良いのか?
「放任」して良いのか?
とも思っちゃいます。
- 幼児や小学生を突き放し過ぎると、「親との関係性が薄い」人になってしまいます。
- べったり過ぎても「甘やかし」になって良くないはずです。
「本当に子供のため」と思うならば、「適度」な関係性を知る必要があると思います。
そのためにも、アドラー心理学に興味を持つことは有効だと思います!!
2・そんな簡単に割り切れるものではない。
親子関係で、親が「自分の課題=親だけの課題」と「他者の課題=子供自身の課題」を分ける場合には、
「子供のためと思う気持ち=自分の課題なのか子供の課題なのか」が分かりにくいです。
分かりにくい理由は3点あります。
- 「子供のため」と思う気持ちが、ホントに「子供のため」になるのか?
- 「親のエゴ=こうなって欲しい・こうあるべき」という気持ちも混じってくる。
- 精神レベルも物事に対する考え方も幼い子供に対しては、「課題の分離」で考えて良いのか?
インターネットに載っていた失敗例は、幼いお子さんなのに大人と同じようなアプローチをしてしまっていました。
相手の精神レベル・知的レベル・精神状態を考えなければ、「アドラー心理学の活用」「課題の分離の応用」も上手くいきません。
そして、「他者の課題には踏み込まないほうが良い」のでしょうが、親子関係ならば、そんなわけにはいきません。
ということは、「踏み込み方と関わり方が重要」と考えます。
「子供が勉強をしない…」
この問題は、「課題の分離では勘違いされやすい」問題です。
僕的には「そうなの?」です。
この問題は、ほかの要素が絡むので、そんな簡単には気持ちは割り切れません。
しかしながら、「子供に言っても聞かないならば、それ以上はコントロールできません」。
ならば、
注意した後は「気にし過ぎずイライラしない」だけでも心は軽くなります。
「子供の課題」として割り切るのではなく、「自分にはコントロールできない」ので単に「気にしない」「イライラしない」という意識です。
子育てにおける「課題の分離の1番の効果」
インターネット検索などで意見を見ていると、
「子育てで課題の分離と出会って良かった」という声は、
「気持ちが切り換えれて軽くなった」ことが最も多いです。
悩まなくとも「イライラ」「やきもき」しがちですが、
「自分がコントロールできないことに心を惑わされない」効果を覚えると、「悩み」「イライラ」「やきもき」がかなり減って、その分心が軽くなります。
これが一番の効果と思います。
*次のステップで、「課題の分離」の理屈を理解していけば、気持ちは軽くなるだけではなく、対策方法が見えてくるのです。
では、どうするのか?
「子育てでの課題の分離:実践編」
先ほどの馬の例でもう一度考えます。
水辺に馬を連れていくことは出来るけれども、馬に水を飲ませることは出来ない。
水を飲むかどうかは「馬の意思」ということです。
飲まないならば「のんびり待つ」「飲む方法を考える」など、イライラせずに自分が出来ることに心を向けることが効果的だと思いませんか?
<自分が出来ること>
「水を飲まそうと水辺に行くならば、水辺に着く前にのどを乾かせる方法を考える。そうすれば、きっと水を飲むだろう」
ということを考えて、そんな状況を作る工夫が出来ます?!
もしくは、連れて行って飲まないならば、水辺の近くで馬を走らせる!
きっと、のどが渇いて、水辺に戻って飲むはずです。
*そこまで工夫をして飲まないならば、「なにか上手くいかない理由があるはずです」。
例えば「病気」に掛かっているかもしれません・・・。
子供の場合の実践
人間関係で大事なのは、自分と相手との関係性です。
今の関係性は?
その時のお互いの関係が「良好なのか普通なのか悪いのか」?
お互いの「相性」も関係します。
また、お互いの下記の状況も関係します。
- 精神レベル
- 知的レベル
- 精神状態
子供って?
「こども」と言っても、様々です。
・赤ちゃん ・幼児 ・幼稚園 ・小学生 ・中学生 ・16歳以上 ・20歳以上 など。
*ということは、
- 年齢や親との関係性
- その時の置かれた状況
それらによってアプローチ方法は変わるはずです。
3つのチェックポイント
まず次の3つを考えてみてください。
1・その「子供のため」と思う気持ちが、ホントに「子供のため」なのか?
ホントに「子供のため」ならば、それは、親にとっては「子供の課題=他者の課題」であっても、「他者の課題」としては割り切れないものです。
しかし、
「ホントにそれが子供のため?」なのかは、冷静に考えてみる必要が有ります。
例えば、「勉強」。
「勉強をした方が良い」と思って「ガミガミ」言っても効果が無いならば、アプローチを変えてみること・色々なアプローチを学ぶことは重要です。
ホントに子供のためと思って自分の課題のように考えるならば、そういったアプローチ方法を学ばなくては「他者の課題に土足で踏み込んでいる」ことになります。
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2・「親のエゴ=こうなって欲しい・こうあるべき」という気持ちも混じってませんか?
こどもの人生なのに、親の思惑が入り過ぎている場合も有ります。
それでも、親子関係が良好な場合も有ります。
子供の頃はプレッシャーで嫌だったけれど、大人になってから親に感謝している人も居ます。
だから、良くない例とは言えませんが、
「上手くいっていない場合が多い」のが現実です。
上手くいっていない場合は、何かを変えた方が良いと思います。
何か?とは「親の考え方」か「アプローチの仕方」です。
「子供にはプロのサッカー選手になって貰いたい」
「家系では医者が多いから医者になって貰わないといけない」
「一流企業に就職した方が良いから、一流大学を目指すべき」
こんな場合は往々にしてあります。
そして、それは「子供の人生にとって良いこと」だから「親としては無理やりでも、そのようにさせなければならない」と親が子供に強制している場合も有ります。
悪いことではないと思います。
ところが、
親子の関係性が「上手くいっていない」のであれば、アドラー心理学は参考になります。
「上手くいっていない」のであれば、「課題の分離」をすることで、
まずは、上手くいっていない自分の心が軽くなります。
自分がコントロールできないことなのが分かるので、今までほどは、口うるさく言わなくなります。
まず、ここで親子の関係性に変化が出るかもしれません。
自分の課題と他者(こども)の課題に分けることで、冷静になって、アプローチ法を考えることが出来ます。
アドラー心理学を参考にすると「アプローチの仕方」も変わります。
子供と冷静に「将来の事」について話をしてみてはいかがですか?
そうすると、お互いの理解が深まって、上手くいくかもしれません。
結局は、親は子供の幸せを願っているならば、親も子供も「子供の幸せ」という同じゴールを目指しているはず。
親が思う子供の幸せと子供の思う幸せが合致すれば、とても良い結果になります。
幸せになろうとする道順が合致しなくても、ゴールは同じなので、遠回りをすることも人生にとってはプラスになります。
アプローチの仕方や課題の分離を学ぶことで、子供の考えと自分の考えで「道順が合致」しなくても、冷静に考えることが出来るようになります。
すると、「分かってくれない」と腹が立つことも無くなると思います。
そして、子供さんの考えが理解できると思います。
こうなれば、おのずと、子供さんとの関係性は変わってきます。
まさに、
- 「相手は変えることは出来ないが、自分は変えることが出来る。
- 自分が変われば、相手との関係性は変わる。
- 他人と過去は変えれないが、自分と未来は変えることが出来る」のです。
3・精神レベルも物事に対する考え方も幼い子供に対しては、「課題の分離」で考えて良いのか?
これは、危険です!
言葉が理解できない乳幼児には「自分の課題なんだから自分で考えなさい」は無理ですよね。
また、物心がついてきたとしても、突き放し過ぎると、子供は「自分の事に親は関心が無い」と誤解する場合も有るでしょう。
突き放さなくとも放任過ぎるのも良くありません。
かといって、甘やかしすぎるのも良くありません…。
親としての子供に対する「躾:しつけ」は必要だと考えます。
「言うことを聞いてくれない」ことに対しては「これは自分ではコントロールできないから深く考えないでおこう」と心を軽くすることには有効です。
加えて、
- 新しい自分の気分転換法
- 子供が言うことを聞いてくれるような新しいアプローチ法
を工夫することがオススメです。
最後に
こうやって考えると、
親子には距離感が重要なのだと実感しました。
距離感についても、アドラー心理学の全体を学ぶと、とっても参考になります。
アドラー心理学では、人と人の関係性は「主従」ではなく「横」の関係が良いと提唱しています。
1人の人間として「独立・自立」しながら「他者との良い関係を築いていく」ことです。
相手に依存し過ぎず、しかし、孤立するのはなく「共存」していく。
そのためのヒントが、アドラー心理学には詰まっていると感じています。
アドラー心理学は、「勇気づけ」てくれながら「考える力・行動する力・変える力」を身に付けるヒントや答えが満載です。
そして、「自分を変える勇気」を与えるのです。
- 子育てに関しては、こちらの記事もあります。👉「子育て」上手く行かない…、後悔してしまう…、疲れた…、そんなときには「アドラー心理学」
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