2020年5月4日、「新しい生活様式」なるものが政府の専門家会議によって新型コロナウィルスの感染対策として提言されました。
治療薬やワクチンが「まだこれから」の状況で、長期化する新型コロナウィルスの感染や拡散を抑え込む対策の一環として、今後の生活についてまとめられたのが「新しい生活様式」です。
この提言、けっこう「事細かに」書かれています・・・。
ここまでシッカリ明文化するほうが安心安全なのは分かりますが、飲食業や接客業、冠婚葬祭業にとっては、大打撃な内容です。
「事細かに提言するならば、誤解が起きないようにもう少し説明が欲しかった」と、サービス産業の従事者として思ってしまいました。
いずれにしても、アフターコロナに向けて、世の中が変わる中で葬儀業界やサービス業も、考え方を大きく変えなければなりません。
ここでは、どのように変わるのかを予測しながら、「新しい生活様式」についてまとめていきます。
アフターコロナ
新たな感染者の数が限定的となった地域では、「緊急事態」から「新しい生活様式」へ「切り替える必要がある」として具体的な実践例が示されました。
長丁場に備えて再び感染が拡大しないようにするためですね。
しかし、正直、ここまで細かく提言されると、「これは提言ではなく指針」として感じてしまう人が多いと思います。
飲食業・冠婚葬祭業にとっては、「厳しい指針」です。
また、「人と人」の結びつきを考えると「人と人の接点が非常に希薄になる」内容です。しかし、こうしないと、感染が拡大するから仕方が有りません・・・。
2020年は、今後の社会の在り方を大きく変える分岐点に立ち、人と人が関わりにくくなる社会へと大きく進んでしまいました。
もう少し踏み込んで誤解の起きないような提言に仕上げて欲しかったのですが、その提言内容とアフターコロナの冠婚葬祭業と飲食業についての私見をご紹介します。
冠婚葬祭業と飲食業の今後
この提言を読むと、下記の5点が進むこととなります。
・お葬式、法事、結婚式、披露宴の小規模化。
・インターネット参列や出席などのオンライン化の加速。
・マスク着用、手袋着用での接客が当たり前に。
・店内の飲食は当分の間、客足は鈍る。
・デリバリーやお持ち帰りの活発化。
悪いことばかりではないのですが、商業的な面から考えると確実に経済は鈍化する内容が圧倒的に多いです。
「旅行や移動の制限は一時的な現象」で、以前の状況には1~2年後に戻るでしょうが、無駄な出張は「オンライン化」で少なくなります。「鉄道や航空の利用者が減る」ことに繋がります。
そうです、「柔軟な考え方の企業」が人気や支持を得ることとなるでしょう。
*飲食店も冠婚葬祭業も、空間を空けての営業となると、これまでよりも集客人数が減ります。ところが、家賃は同じです・・・。
→ということは、これまでと同じ家賃や地代で成り立ちにくくなるので、家賃や地価が下がる可能性が有ります。
飲食業は「空間にたくさんのお客様に来て頂いて飲食してもらう」発想から「店の集客を考えるのと並行して、デリバリーおよび通販売上を上げることに力を入れる」必要が有ります。
「空間に対する数と量」から「空間を使ってネットも活用して、いかにその空間を活用できるか」、「店の有る商圏」から「インターネットを介して広い商圏で仕事が出来るか」に考えを変えていかなければならないのでしょう。
具体的な「新しい生活様式」の実践例
他のサイトや厚生労働省のホームページにある内容と同じですが、わざわざサイト移動をされなくて良いように、こちらでもまとめさせて頂きました。
「提言」なので「100%この通りにしなければならない」訳ではありません。しかし、「100%この内容を守ると、高い確率で感染しにくくなる」といった内容です。
・治療薬がやっと誕生しだした現在ですがワクチンは「まだ」。
・高齢者や持病を持った免疫力が低下した方々は重症化したり死亡したり・・・。
・感染した方々の声は「インフルより、ずっとキツイ・・・」。
こんな状況では、怖いのは当然です。
でも、経済も回さなければ、経済的にもおかしくなる・・・。
だから、今はいかに「感染しないか」「万一感染しても、感染を拡大しないようにする」かに注意しながら、今後の経済活動を行っていくかがポイントです。
治療薬が普及すれば今の状況と不安感は緩和されていきます。
そして、ワクチンの誕生でインフルエンザなどと同じ扱いになるのだと思いますが、それは、まだ少し先の話。
だから、この度の「新しい生活様式」なのですが・・・、
「新しい生活様式」といっても、シンプルにまとめると下記3点だと思います。
①極力、感染しないように自分で気を付ける行動。
②「万一、感染してたら」を考えて人に移さない行動。
③移り・移されにくい環境を作る。(3密の回避)
密室・密閉・密接を自分も避けて、会社や社会も避けれる仕組みを考える。(満員電車の緩和や勤務方法など)
これらに気を付けながら経済活動を行っていくための「新しい生活様式」だと思います。
「怖がり過ぎず・軽視しない」で、日本全体で気を付けて実践して行きたいものです。
「新しい生活様式」とは
<一人ひとりの基本的感染対策>
①身体的距離の確保
②マスクの着用
③手洗い
3点の注意喚起がなされています。
具体例は下記です。
・人との間隔は、できるだけ2メートル (最低1メートル)空ける。
・遊びに行くなら屋内より屋外を選ぶ。
・会話をする際は、可能な限り真正面を避ける。
・外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用
・家に帰ったらまず手や顔を洗う。できるだけすぐに着替える、シャワーを浴びる。
・手洗いは30秒程度かけて水とせっけんで丁寧に洗う(手指消毒業の使用も可)
※高齢者や持病のあるような重症化リスクの高い人と会う際には、体調管理をより厳重にする。
*個人的には下記のような程度の表現で良かったのではと思います。
・「人との間隔はマスクをしていても1メートルは空けるのが好ましい」
・「遊びに行くなら屋外よりも室内のほうがベター」
・「会話をする際はマスク着用」
・「マスクが無い場合は真正面を避け2メートルの間隔を空ける」
→「人と人の距離」ですが、お互いがマスクをしていると2mも空間を作る必要は有りません。
というのは、「最低でも1m」と提言されています。それならば、「お互いがマスクをしていれば1m」と具体的に提言して欲しかったです。
こんな内容でしたので「マスクをしていても2m」と誤解されます。そうすると不安を大きくすることとなってしまいます。どこまでのデータが有るのかが分かりませんが、公的にもっと具体的な説明が欲しいと感じます。
👉ウイルス・菌を防ぐマスクの正しい使い方
*人と人の距離を最低1メートル空けるとなると、葬儀や法事・結婚式や披露宴・飲食店や宴会など、接客業としては「空間的に今までよりもスペース効率が悪く」なります。
*「会話の際は、可能な限り真正面を避けマスク着用」となりますと、これまでの常識である「接客時にはお客様に失礼だからマスクを外す」ことと真逆の対応になります。
これからはコロナ問題終息後も、マスクを付けて仕事をすることは「プライバシー」として許される時代になりますね。
<移動に関する感染対策>
・感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える。
・帰省や旅行は控えめに。出張はやむを得ない場合に。
・発症したときのため、誰とどこで会ったかをメモにする。
・地域の感染状況に注意する。
*帰省や旅行はコロナが収束して行くにつれ元に戻りますが、「会って打合せ」の時代から「オンラインで打ち合わせ」が主流になりコロナ収束後も「出張や対面打合せは減少」するでしょう。
営業のプレゼンも「オンラインでテレビ通話とPCの画面共有で資料の説明」が当たり前の時代になります。
わざわざ相手様の会社や事務所に行かなくて済みますので、移動の費用と時間が節約されて業務の効率化に繋がります。
(2)日常生活を営む上での基本的生活様式
・まめに手洗い、手指消毒
・咳エチケットの徹底
・こまめに換気
・身体的距離の確保
・「3密」(密集、密接、密閉)の回避
・毎朝で体温測定、健康チェック。発熱または風邪の症状がある場合はムリせず自宅で療養
(3)日常生活の各場面別の生活様式
《買い物》
・通販も利用
・1人または少人数ですいた時間に
・電子決済の利用
・計画をたてて素早く済ます
・サンプルなど展示品への接触は控えめに
・レジに並ぶときは、前後にスペース
《娯楽、スポーツ等》
・公園はすいた時間、場所を選ぶ
・筋トレやヨガは自宅で動画を活用
・ジョギングは少人数で
・すれ違うときは距離をとるマナー
・予約制を利用してゆったりと
・狭い部屋での長居は無用
・歌や応援は、十分な距離かオンライン
*スポーツクラブ(フィットネスクラブ)やヨガ教室にとっては「大ダメージ」な提言です。
*合唱やスポーツなどの応援も、「十分な距離を確保して」となると、吹奏楽や合唱団などにも難しい内容です。「応援はオンライン」とは、理解しにくい表現です・・・。
プロの試合がテレビで放映していれば「オンライン応援・観戦」可能ですが、応援を現地ではなく「オンライン」と提言するなら、テレビで放映していない場合は「十分な距離で空間を確保しての応援」となります。
《公共交通機関の利用》
・会話は控えめに
・混んでいる時間帯は避けて
・徒歩や自転車利用も併用する
《食事 :持ち帰りや出前、デリバリーも》
・屋外空間で気持ちよく
・大皿は避けて、料理は個々に
・対面ではなく横並びで座ろう
・料理に集中、おしゃべりは控えめに
・お酌、グラスやおちょこの回し飲みは避けて
*皆で食事をするときも「大皿ではなく個食」「おしゃべりは控えめに」で、「対面ではなく横並び」を推奨している内容です。
*横並びで座っておしゃべりをした場合は、対面よりも距離が近いので、横並びの場合も1メートルの間隔を空けるべきなのでしょうね?!
*「人と人」の関わりが確実に薄くなります。
室内の飲食店にとっては、収容人数が半分もしくは半分以下となります。加えて、デリバリーまでも推奨されると、マジで厳しい内容です・・・。
《冠婚葬祭などの親族行事》
・多人数での会食は避けて
・発熱や風邪の症状がある場合は参加しない
多人数の会食を避けることは、様々な個人的な催しが「小規模化」されます。冠婚葬祭だけではなく、新年会や忘年会などの宴会も小規模化するでしょう・・・。それで、開催回数が増えてくれれば、飲食店にとってはプラス効果です。
(4)働き方の新しいスタイル
・テレワークやローテーション勤務
・時差通勤でゆったりと
・オフィスはひろびろと
・会議はオンライン
・名刺交換はオンライン
・対面での打合せは換気とマスク着用
*これまでの「社会問題が緩和」されれば良いですね。
「通勤ラッシュ」が緩和される世の中になって欲しいものです。
*「会議のオンライン化」と「出張をせずにオンラインにて打ち合せ」が急激に普及する、また、お葬式や披露宴の各種オンラインサービス化が進む内容です。
*「営業のオンライン化」も進み、プレゼンや説明も「オンライン」で行なうことが急増し違和感を感じなくなります。
*名刺交換までも「オンライン化」の提唱です・・・。
2020年は「オンライン化が大きく加速する」ポイントの年になったと考えます。
新型コロナウイルスの主な感染経路
・接触
・飛まつ
<接触感染について>
接触する頻度が高いドアノブや電気のスイッチ、それにエレベーターのボタンなどには特に注意。
<飛まつ感染について>
・換気
・人と人との距離 に注意。
すべての業種に共通する注意点
・密にならないよう
→施設や店などへの入場者の数を制限
・発熱などの症状がある人は入場制限
・消毒液を設置
・従業員はマスクをつける
・施設の換気や消毒を行う
感染対策の例
・複数の人の手が触れる場所を適宜消毒すること
・人と人が対面する場所は透明なカーテンなどで覆う
・美容院や理容店、マッサージ店など客の体に触れる場合は手洗いを「よりこまめに行う」。
<トイレや休憩スペースでは感染のリスクが比較的高い>と考えられるので、
・トイレではふたを閉めてから流す
・ハンドドライヤーや共通のタオルの使用をやめる
<休憩スペースでは>
・一度に休憩する人数を減らす
・対面で食事や会話をしない
・常に換気をする
・部屋に入る時と出る時に手洗いをする
ことなどを求めています。
ほか
・ごみを回収するときはマスクや手袋をつけて外したあとは手を洗う
・高齢者や持病のある人に関わる事業所では、感染した場合に重症化するリスクが高いため、サービスを提供する側はより慎重で徹底した対応をとる
加えて
「手洗い、咳エチケット等の感染対策」
「『3つの密』の回避」
「人との接触を8割減らす10のポイント」
を、ともにご活用いただくようお願い致します。
最後に
「新しい生活様式」についてまとめましたが、この提言内容のすべては将来的に「そろそろしなくて大丈夫」とは成らないでしょう。
「新しい様式」として少なからず定着します。
今後は治療薬やワクチンが出来て参りますので、進捗状況と共に「新しい生活様式」の内容を変更し、随時更新をして我々に公表して欲しいものです。
まあ、悪い側面ばかりではありませんよね。
マスクを着用するのが当たり前の時代に突入しましたので、新型コロナウイルスだけではなく他の病気にも移りにくくなるなど良い側面もあります。
「いかに新しい生活様式に順応出来るか」がポイントになるのでしょう。
これは、ビジネス界でも同じです。
2020年は、冠婚葬祭業と飲食業が今後に大きく変わる起点の年となりました。
5年後10年後のこれらの業界の勢力図がどう変わっているのか、きっと、まったく知らない会社が上位にランクインしていることと想像します。
利用者(お客様)にとって、快適で便利なサービスが次々と登場していると感じます。
私もそんなサービスを提供できるように頭を柔らかく考えて参りたいと思っています。
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