「価値観」っていう言葉は、大人になってから頻繁に登場しませんか?
「幸せ」っていう言葉はある程度の物心が付いたころから使ったり、
「成功」なんて言葉は小学校高学年くらいから使ったりしますが、
「価値観」は中学生が使っても、大人びた印象を受けます。
「大人の言葉」と言えますが、ある意味、便利な言葉なんでしょう。
「あるカップルは、価値観の違いで別れた」
「あの人とは価値観が違うから相性が良くない」
「あなたの価値観を人に押し付けないで!」
様々なシーンで使いますが、観察すると、たいていは「人との相性を測る時」に使われています。
ということは、「価値観の違い」で悩むことも多いのですよね!
この記事では、「価値観」について簡単に分かり易く解説した上で、「価値観というモノが我々に与える影響」の大きさを考えてみたいと思います。
価値観とは?
さて、「価値観」って何なんでしょう?
Wikipediaでの説明は下記です。
何に価値があると認めるかに関する考え方。
価値(善・悪、好ましいこと・好ましくないこと、といった価値)を判断するときの根底となるモノの見方。
物事を評価・判断するときに基準とする、何にどういう価値がある、という判断。
うん、いきなり小難しい説明です…。
そこで、シンプルに解説するために、この記事での定義を簡単にまとめまてしまいます!
<価値観とは>
「何に価値を感じるかのポイント」「価値が有る・無いやモノゴトの良し・悪しを測る基準」。
測る基準なので「そのモノに対して自分がどの程度の価値があるかを測るものさし」とも言えます。
もっとシンプルに説明すると「~と感じる感じ方」。
人によって、この「感じ方」は違います。
価値観の違いを簡単に。
<ある曲を聴いての感想>
「すごく好き」と感じる人、「まあまあ好き」「悪くはないけど、それ程好きではない」「無関心」。
こんな具合に、感じ方が違います。
これが価値観の違いです。
自分が良いなぁと思うからその服を選んだのに、周囲からあまり評判が良くなかった。
たくさんの友人には評判が良かったけど、親には「似合ってない」と言われた。
この反応は、「価値観の違い」が原因です。
服を選ぶ時の好みの違いも子育てに対する考え方の違いも、「価値観の違い」です。
価値観が変わるとは?
価値観は変わる場合も大いにあります!!
原因は、2つです。
①「自分が変わったから」…月日と共に考え方や趣味が変わった、意識的に自分を変えた。
②「自分の環境が変わったから」…付き合う人が変わった、何かを新しく始めて新しいモノゴトに触れた、など。
服装で言えば、おしゃれを凄く気にする人が居ます。
逆に、まったくの無頓着で「別に何でもいいからテキトーに着る」っていう人も居ます。(このタイプの人には、「おしゃれや服装には、気にするほどの価値が無い」のです)
そんな人に「もっと気にしたら」なんて言っても、気にするはずも有りません。
しかし、数年後に会った時には「凄くファッションに敏感」な人になっていたりもします。
10年前に聴いた曲なんだけど、その当時は何とも思わなかったけれど、いま聴くと凄く好きになった!ってことも有ります。
こんな風に、価値観は変わる場合も多いのです。
だから、「価値観の違いでカップルが別れる」わけです。
出会った頃には、同じような趣味や会話で盛り上がっていたのに、いつの間にか話が合わなくなってしまった…。
もしくは、実は、モノの感じ方が違っていたのに気が付かなかった場合も有ります。
モノの感じ方が違うのが最初は新鮮に感じて「好き」って思ったけれど、やっぱり会話が噛み合わない…。
これもその人の価値観が変わっています。「モノの感じ方が違う人は自分にとって興味深かったけれど、感じ方が違う人よりも似ている人の方が良い」といった具合に変化しています。
価値観が変わることは良い事か悪い事か?
何かを経験して変わって行くものなので、「良いこと」だと僕は思っています。
価値観が変われば、感じ方・見え方・捉え方などにかなり違いが生まれます。
以前とは、全く別人の反応をすることもあります。
例えば、トマトが嫌いだった人が好きになる事だって有ります。
こんな例のように、真逆の180度変わってしまうことが年月の経過や或る出来事によって、起こります。
価値観の変化はとても大きな変化を生むことになります。
感じ方・考え方などの変化で、その人の行動も変わる事となります。
考え方や行動が変われば、周囲との対人関係でも変化が起こるでしょう。
「相手を変えることは出来ないが、自分は変われる。
自分が変われば相手との関係性も変わって来る」という現象が起きます。
同じ変わるなら、自分が「良い・幸せ」と思える方向へ変わりたいものです。
この記事は、そのための多少のヒントになりたいものです。
価値観なんて変わって行くものです。
変わる事は恥ずかしい事でも悪い事でも無いので、今の価値観にこだわらずに、色んなことにチャレンジしてみてください。
そうすることによって、価値観を見直すことになったり、刺激や衝撃に出会い、新しい自分へと導いてくれます。
話は逸れますが「運動」って言葉、漢字を見てください。
「運が動く」って書いてます。
価値観が変わって動くことで、何かが変わって行きます。
価値観を変えてみようと行動することで運が動きます。
価値観が変わると「見えるモノが変わる」「感じるモノが変わる」。
ある寒い日に親子が車に乗って出掛けていました。
たまたま信号待ちでホームレスの人を見かけました。
①あるお母さんが子供にこう言いました。
「あなたも勉強しないと、あんなふうになるよ」
②別の親子では、お母さんは子供にこう言いました。
「寒いのに風邪ひかないのかな?」
③別の親子は、
「寒いのに、たいへんだ。なぜ、ホームレスになっちゃったんだろうね。なにか、理由が有るんだろうね」
この3種類の親子の対応から分かる事は、人によって捉え方が様々なんだなぁということです。
価値観の違いで捉え方・見え方が違ってきます。
そして、子供は親の価値観に影響を受けてしまいます。
子供は①②③の親の価値観を通して、その景色を眺めることとなりました。
その子供さんが、親の言葉を通してどのように感じたかは分かりませんが、何らかの影響は有ります。
このように、我々は生きている中で様々な形で、自分の価値観は作られていきます。
価値観の変化の例
僕は、40歳過ぎに、自分の人生に対して「先が見えない」「先が明るくない」と感じていました。
会社では、ある程度の肩書を貰い、収入的にも悪くなかったけれども、とっても不安になりました。
「今よりも出世が出来るのか?」「今よりもどの位まで年収が上がるのか?」。
もがいても先が見えなくて、焦って行動しても上手く行かないことも多い…。
それまでは、ある程度の収入や肩書になるために、長い間に渡って競争をしていました。
他人との競争、自分との競争。
上手くいったり失敗したりの結果で、その当時の収入と肩書を貰っていましたが、その先が見えなくなり不安になりました。
そんな時に、今回の例え話のような話に出会いました。
そんな話が載っていた一冊の本に出会いました。
そして、ふと気が付きました。
「これまで、他人とばかり比較をして生きてきた。
いま、自分が不安なのは、今後も他人と比較して生きようとしているからではないか?
いまでも、十分な肩書と収入を貰っているので、まずは感謝しなければ。
そして、将来が見えなくて不安もあるけれども、人と比べて生きるのではなく、今の自分と比べて少しでも自分が成長できるような意識で生きてみよう」
それ以来、次第に楽に生きることが出来るようになりました。
価値観が変わりました。考え方が変わりました。
そうすると、モノの見え方、見える景色、そして「気持ち」に変化が出ました。
➡この本が「その1冊」です。なんとなく、古本屋さんで立ち読みしていると出会ったのです。
最後に
「幸せ」に対する価値観が違うと「幸せに対する感じ方」にも違いが出ます。
同じく、「成功」に対する価値観が違うと「成功に対する感じ方」にも違いが出ます。
価値観の違いとは、感じ方の違・考え方の違いです。
たいていは、「成功=幸せ」という考え方ではないでしょうか?
以前の僕もそうでしたが、たくさんの人は、頭にこんな図式が有ると思います。
「成功=金持ち」
「金持ち=しあわせ」
「お金がない=不幸せ」
「健康=しあわせ」
「病気=不幸せ」
ところが、
経済的や立場的に人より優れているからと言って幸せとは限りません。
そうなると、この図式は間違っています。
そして、この図式で欠けてしまっている事が有ります。
何だと思われますか?
「自分のこころ」の部分が欠けてしまっています。
「幸せ」って自分の心が感じるものなのに、「物質的や経済的な成功・人と比べての優越」が基準になっています。
「人よりも勉強が出来る・人よりも良い学校に行く・人よりも高収入を得る…」
*子供の頃から、人との比較の中で「立場や地位や経済的なこと」に重きを置いて色んなことを考えるようになっているから、以前の僕は「幸せ」を感じにくくなっていました。
「人より優れる事・そのように目指すこと」は素晴らしい事です。
でも、そこに重きを置き過ぎると、「人の気持ちが分からない・分かりにくい心の持ち主」に成ってしまうような気がします。
そして、
人と比べていると、常に人と比べることから脱出できません。
人間は「人の間」で生きていますから、人との関わりは大事な要素です。
対人関係が良好だと、気持ちは楽です。
人の気持ちが分からなければ、対人関係にも大きな影響が表れます。
だからといって、自分の価値観を人に押し付けることは良くないですね。
押し付けたところで、育った環境や経験が違うので同じような価値観にはなりません。
コメント